第5話
このマンションは、私以外の人はおらず私の部屋以外の荷物も消滅した。
空いた部屋の鍵を開けてもらう事は可能。
すべての部屋の電気とガス、水道を使えるようにしてもらえるか確認したらこれも出来るとのこと。
テレビは元の世界の番組を観ることが出来るそうだ。
BSやCSなどの有料番組を視聴出来るようにもしてもらえるらしい。
各部屋にテレビと録画機器をセットして録画しまくろう!
そして私は本格的な交渉を始めた。
「今まで通りネットが使えるようにして欲しい」
驚かれたが拒否はされなかった。
今まで遊んでいたネットのゲームが遊べなくなるのは嫌だったから。
そして一番の理由は、ネットショッピングやネットスーパーで買い物をしたい。
元の世界並の技術を持っていない世界は不便でしかない。
今まで通りの食事をしたい。
日本人は味噌汁とおにぎりよ!
デザートも食べたいし作りたい。
コンビニデザートは買って食べるものよ。
ジュースもお酒も飲みたいし。
よくラノベで「無いなら似た材料を使って自分で作る」ってあるけど、そんなのムリムリ!
飽食時代の庶民が、職人技の味噌や醤油作りの知識なんか持ってないわよ。
それに失敗して材料を無駄にするより、買えるなら買った方が良いじゃん!
何より生活用品が調っているとは思えない。
電化用品があるとも思えない。
そう訴えたら「分かりました。では『メニュー』が使えるように致しましょう」と言われた。
言われた通りに「メニュー」と思っただけで、目の前にゲーム画面でよく見るメニュー画面が現れた。
『ステータス』『アイテムボックス』など表示された中に『通販』もある。
扉の絵が右上に小さくある。
「この扉の絵は?」と尋ねたら階段前の防火扉と繋がっているそうだ。
どこにいてもこのマンションに戻りたくなれば、扉の絵をタップすれば目の前に鉄扉が現れて帰ることが出来るらしい。
「向こうの人や乙女は?」と聞いたら、この鉄扉は私以外は通れないそうだ。
でも鉄扉自体は見えるらしいので使うときは注意が必要。
でも鉄扉を閉めたら消えるらしい。
そしてアリステイドへ戻る時はマンションの防火扉を開けるだけだそうだ。
船などの移動中に使えないのではと聞いたら、防火扉を開ける時に「戻りたい場所か、もしくは誰かの場所へ戻りたい」と思い浮かべるだけで良いらしい。
なんとも便利な『どこでもドア』だ。
そして『通販』をタップしたら、元の世界で見たショッピングサイトやネットスーパーが写真付きで現れた。
購入にはアリステイドのお金でチャージする必要があるらしい。
ネットに繋がってるから当たり前のように入力画面もあり、検索可能で個人商店の直売にも対応しているらしい。
メニュー画面は何とも便利なもんだ。
「ところで私のスマホやタブレットって、アッチの世界で使える?」
そう聞いたら持って行っても良いけど、出来れば元の世界の機器はアイテムボックスに入れてほしい。
あれはアリステイドには存在しないものだから、とのこと。
防水や充電を気にしたが、アリスティアラが言うには、元の世界の機器はアイテムボックスに入れればアリステイドで使えるようになるらしい。
防水や防塵で壊れないようになる。
故障したり調子が悪くなった時も、アイテムボックスに入れたら回復出来るそうだ。
充電もアイテムボックスに入れるだけで完了するそうだ。
「故障が直るって事は機器が新品同様に戻るということ?」と聞いたらそれに近い状態らしい。
「詳しいことは話せませんが」と恐縮されたが、私は便利なら問題ない。
「マップをアッチの地理で使えるようにして。あと言葉や文字とか違うだろうから、翻訳機能などのツールもアッチの世界用に機能追加して」
アリスティアラの話だと、言葉は通じるがやはり文字は違うらしい。
でも識字率が低く、文字が読めなくても問題はないらしい。
でも読めないと困るからね。
『異世界で迷子』なんてイヤよね。
そりゃあ私には困った時には『どこでもドア』があるけどね。
これはメニュー画面に新しく『翻訳』が表示された。
タップすると目の前に透明なガラスみたいなものが現れた。
そのまま上や下を見ると目の前のガラスも一緒に動く。
今は何もない部屋で目の前は何も変わらないが、この状態でアリステイドの文字を見ると日本語に変換されるらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。