第4話




アリステイドにはひと族以外にも様々な種族が存在している。

エルフ族やドワーフ族、獣人族とよく族。そしてうろこ族と魔族。


人族は二分されており、乙女が召喚されるのはエルハイゼン国。

賢王けんおうと呼ばれた始祖王が興した国で、他種族との交流を良しとする穏健派。


もう一つはアグラマニュイ国。

同じ人族であるエルハイゼン国との交流以外は極力行わない閉鎖的な国。

賢王より五代後に起きた『事件』により、他種族との交流を嫌った僭王せんおうが興した国。


エルフ族はコーティリーン国。

長寿で平均寿命は600歳。

名前から『可愛い妖精』をイメージしたが、エルフ族は長寿を活かして科学や研究で発展した国だそうだ。


ドワーフ族の国はヒアリム国といい、私たちの世界のドワーフとイメージが同じ。

石工だけでなく鍛冶やアクセサリー工芸など手先の細かい作業も得意としている。

工芸品は交易で他国へ輸出されているが、結構な値段だそうだ。


獣人族はセリスロウ国。

動物の姿と人に近い姿を使いこなしている種族らしい。

動物の姿として多いのは犬や猫に近く、次いでクマやトラなどの力強い生き物。


翼族は有翼人種と言われる背中に翼を持つ種族。

鳥人が大半だが気まぐれで楽しいことが何より大好き。

そのため国は作らず『マヌイトア』と呼ばれるコロニーを各国に作り、自由に空を飛び回っている。

族長はエレアルという名の鳥人で、セリスロウ国のマヌイトアに住んでいる。


鱗族の姿は人間に近く、虹色に煌めくウロコを身に纏っている。

鱗族の国は海にある島だが国としての名前は持ってない。

湖や池に『海の道』が通っていればどこへでも行き来が出来るらしく山の中の湖に現れたこともあるそうだ。

「すっぽんぽん?」と聞いたら、古代ギリシャのピラピラした衣装に近いそうだ。


鳥人と鱗族の問題行動として「気に入った相手の都合を聞かない」事が挙げられる。

鳥人は一緒に空を飛んで遊ぶため。

鱗族は自分たちの島へ招待するため。

どちらも「自分が楽しければそれでいい」という種族との事。


そして魔族に関してはアリステイドではあまり分かっていない。

アリスティアラは知っているが、アリステイドの人々が知らない事を私に教えることは出来ないらしい。


今現在アリステイドで分かっているのは

・知性は他種族と同等。

・海を挟んだ先にある大陸に住んでいる。

・建国以来、海を越えて侵略する気はない。

・鱗族の島とは友好な交流をしている。



「私が自分の世界に帰られない以上、その世界で生きていくしかないのですね?」


アリステイドの世界を説明してもらい、もう一度確認する。

「はい」と言われて私は交渉をすることにした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る