三十八通目 旅立ちの時

親愛なる友人モルガン・ローサリー様


日頃から私たちを結んでいる友情の絆に感謝しつつ、

固いご挨拶になることをお許しください。


この度、わたくしスノー・エルラは世界最北の街のその先にある神の山へ向かうことにしました。

国の命令ではなく個人的に必要があっての旅となります。

というのも、先日より調査していたあなたとタツヒト様との、いわゆる異世界どうしの手紙の交換についての原因が、神の山にあるのではないかと推測したからです。


つきましては、誠に不躾ながらお願いがございます。

この神の山への旅に同行して頂けないでしょうか。

騎士の使命と名家の長としての仕事で大変な日々を過ごしているのは、私も重々承知の上ですが、あなたの力が必要なのです。

また、神の山に原因があると考えた理由は旅路の中でお話します。


私の家に向かう馬車を手配しますので、それに乗ってください。

どうか、よろしくお願いいたします。


              メーシュ国王后直属特殊魔導士部隊ムーブグローシュ

              第二隊隊長 スノー・エルラより


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