八通目 家督と騎士

ハヤテタツヒトどの


こんにちは。モルガン・ローサリーです。

貴殿の報告の手紙と、自己紹介の手紙を読ませてもらいました。

手紙がひとりでに部屋に現れたことについては、

実は、うちの執事も一度だけ目撃していたそうです。

ただ誰も信じないだろうということで、黙っていたらしく、

私も驚きました。


さて、ここから以下は、忌憚なく、普段の私として、

手紙を書かせてもらおうと思う。

文通の申し出については、私も貴殿の国や貴殿について興味があるので、

謹んでおうけすることにする。

今回は、私も改めて自己紹介をしよう。


私の名は、モルガン・ローサリー

モルガン家の長女で、十三歳の成人の日に家督をついだ者だ。

奇しくも、貴殿と同じ十七才で、

マヒラ国オース騎士団に所属し、

日々騎士として訓練と警備の日々を送らせてもらっている。

趣味は、そうだな、剣の素振りとか、だと思う。

本も、絵も私には合わないらしく、

長男である兄のほうが絵や音楽など芸術に優れ、放浪の旅に出ていて、

父は城で副大臣として働き、

母は料理好きがこうじて街でレストランを開き、忙しそうにしている。


今まで少しばかり手紙のやりとりをしてきたのだが、

実のところ、私は筆不精で書くのも苦手だったりする。

こんな私だが、今後もよろしくお願いしたい。

気軽にローサリーと呼んでくれて構わない。

それでは、これにて失礼する。

                        M・R

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