3.魔道具は特攻しパンツは無慈悲に放たれる
翌朝。
「おい、アレはめぐみんのパンツじゃないのか!?」
屋敷のカーテンを足で揉み洗いしていた私達は、物干し竿から飛んだパンツをダクネスが見た。
「あ!確かにそうです!待ってくださ〜い!」
飛んでった方向に走って杖でなんとかパンツを捕まえた。
「めぐみん、それってお気に入りなの?」
「はい。結構奮発して買ったやつなので。これが盗まれたりしたら私が大変なことになりますよ」
ふーと、息を整えた。
昼頃に起きてきたカズマを、クリスに仕掛けてもらったバインドで後ろ手を縛り足も椅子に固定した。
「アクア、ダクネス、クリス、ありがとうございます!」
お礼を言うと、恨めしげにカズマが言う。
「ちょお!なんでクリスまで手伝ってるんだよ!」
「アクアの厄介事に協力してもらってるので。それに、怪盗団でも助けてもらったりしてるので、そうしたら快く引き受けてくれました」
クリスはポリポリと頬をかく。
「カズマを縛る事など造作もないことだ。本当は逆の立場になってみたいものだが、はぁはぁ」
息を荒げるダクネスと、一方カズマを蔑んだ目で見ているアクアは、興味なさげに
「このままカズマを眺めてるのも悪くないけど、私はゼル帝の世話をしているわー」
と言ってぴゅーと去っていった。
私は警察から借りてきたカズマが嫌いな魔道具をテーブルの上に置いた。
「なんか文句ありますか!?」
「いえ…何もありません」
「これも犯人探しのためですよ。日頃の行いが悪いカズマのためでもありますが。では、質問を始めます」
すーっと息を吐く。
「今までにしたバレなかった悪事と、罪に問われなかった事は何かありますか?」
「アクアの楽しみにしていた高級プリンを食べました。俺はめちゃくちゃ腹が減ってたのでゆんゆんがめぐみんのためにもってきたクッキーを勝手に食べてめぐみんの方が美味いなと思いました」
「え」
ウソ発見器は鳴らない。
「仲間達の下着を集めて下着風呂だひゃっはーと言って下着で埋めた風呂に飛び込みました」
チーン。今度は鳴った。
「実は、爆裂魔法を撃った後背中にお前の絶壁の胸の感触を味わおうと思い揺らしてみました」
チーン。
「最初の方は褒めて貰えたと思ってたのに!最後のは何々ですか!!私の胸がぺたーん族だから鳴ったとでも言うんですか!?」
魔道具を捨てようとする私をクリスとダクネスが止める。
「カズマのことは嫌いです!!」
チーン。
カズマは無言でニヤニヤしていた。
収拾がつかなくなってしまった。アリバイが書かれたカードを自分が持って、次に凶器を書いたカードを引くというゲームがあるのだが、そっちの方が良かったのかもしれない。でも、ウソ発見器は正常で下着関連についてはカズマは何もしていないことが分かったので、ここで信用することにした。
カズマを夜になって解放した後、悶々と考えながら眠りについた。
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