2.スニーキングストーキングストーカーストーリー
アクアとダクネスに尾行することを告げた私は、昼食をとっていた。
「んあー、おはよう。何だ?今日は爆裂魔法撃ちに行かないのか?」
「ちょっと寄りたいところがあるんですよ」
上手く誤魔化せたと思うと、一足先に食器を片付け、外に物干し竿に干された洗濯物を見に行く。するとカズマが出て行くことを見送った後、二人にこう言った。
「洗濯物、ちゃんとみていてくださいね?」
任せられた、と言ってカズマの数歩後を追う私を見送る。
カズマの行動はこうだ。屋台や八百屋さんのものを値切ってみたり、おやつ頃に魔道具店に行きバニルと商品化できるようなものがあるかないかと歓談を交えて話していた。きっと店を物色している時にヒントを探っていたんだろう。
と、夕方にはこぢんまりした通りにある喫茶店へと入っていった。
「め、めぐみん」
聞き覚えのある声がかけられる。
「?なんですか?私は今忙しいのですよ。とっととどっか行ってください」
前を向いたまま後ろにいたゆんゆんに応える。
「酷い!串焼き買ってめぐみんを尾行してただけなのに!さてはめぐみん、カズマさんを下着泥棒の犯人だと疑っているわね?ダメよ。めぐみんの彼氏なのに疑ったりしちゃ…」
「それもありますが、浮気現場をみておこうかと思いまして」
「へぇーなるほどねぇ。ねぇ、お腹すいてない?聞き込み調査がてら買った串焼きだけどめぐみんに」
「さっきアイスを食べたのでいらないです。え?今何と言いましたか?」
振り向いて情報を催促する。
「そんなぁ〜。えっと、聴き込み調査のこと?全く手がかりもないのだけど」
「ないと!?全然使えないゆんゆんですねないなら消えてください。さもなくばストーカーの罪で訴えますよ」
「わ、分かったわよ!ご、ごめんねめぐみん。今度会った時は勝負しようね〜!」
凹んでいる彼女を見送った後、カズマが店から出てきた。
「おかしいな。今日もダストはいないかぁ…」
等とぶつぶつ呟いていると、私と目があった。
「おい、めぐみん!そこで何してたんだよ?」
「カズマのことが、心配でですね…!」
焦っている風にお互い目をそらしながら、私は口笛を吹くフリをしている。
「もしかして、俺が下着泥だと疑ってたからつけてきたんじゃないだろうな?」
「べべべ別に疑ってなんかないですよ!?でも、今日の行動を見て、そうじゃないと分かりました。犯人だったなら爆裂魔法撃ってましたし」
「え?そういや今日はまだうってなかったのか」
「はい。カズマは、この後家に帰るんですか?」
「いや、今日は外泊しようかと…」
そうですか、と別れた後、更に怪しいと感じた私は明日別の方法でアリバイや動機を教えて貰おうと考えた。
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