秘密の日

「そういえばさ」


「なに?」


「ハロウィンって、急激に流行ったじゃん」


「そうね」


「あれってなんでだっけ」


「あれはお菓子会社の陰謀じゃない?」


「というと?」


「ほら、ハロウィンってお菓子を子供達に配るじゃない」


「ああ、お菓子の消費量が増えるから、お菓子会社が流行らせたワケか」


「分かりやすいでしょ」


「じゃあさ、この『秘密の日』ってのは、どこが流行らせたんだ?」


「うーん。検索したけど、五年前にぽっとSNSのハッシュタグに出たのが最初みたい」


「へぇ、ちなみに発言元は?」


「秘密結社の神様ってアカウント」


「……んんん?」


「秘密結社の神様が、『今日は誰でも一つ秘密を作ってもいい『秘密の日』です。親しい相手に秘密を作って、ばれると負けです。でも、ばれたということは、それだけ相手があなたのことを知っている、ということです。 #秘密の日』ってツイートしたんだって」


「なるほど、そこから親しい者同士で秘密を作って試す、みたいなイベントになったのか」


「そういうこと」


「で、秘密結社の神様って?」


「さあ? どこかの外資系企業のアカウントじゃない?」


「どんな外資系だよ……」


「さて、と。紅白も終わったし、お参りに行きましょう」


「おっけー。行くか」


「……今年は秘密がばれますようにってお願いしないと、ね」

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