竜の骸布 阿部屠龍/ウル様
執筆状況: 完結
総文字数: 9万字ほど
一話あたり: 5千文字前後
要素: 竜殺し、シリアス、近世ヨーロッパ
【あらすじ】
冬を超えられるかどうかも怪しい寒村ネージュ。そんな村の外れに、竜が降ってきた。鱗、角、肝、血、肉、全てが黄金に変えられる。暗雲としていた村の先行きに希望の光が差し込んだ。そう誰もが思っていた。
しかしそれは全ての始まりであり、終わりであった。
【独り言】
坂道を転がり落ちる。っていうのはこういうことを言うんだろうなと思います。
一度転がってしまったら止まれない。その先にあるのが崖だと気付いていても、進むほかない。そして崖から落ちる。という結末は変わらない。
どこまで言っていいものか。って悩んでいるのですが、あらすじ、プロローグからして重苦しく陰鬱な雰囲気をひしひしと感じていただけると思うので、いっか。と開き直ります。他の方がかかれたレビューを読んでも、結末に関しての方向性は見えてきますね。そういうお話です。
読む前から物語の向かう先が見えても、十分引き込まれる作品です。
いや、分かっているからこそ引き込まれる部分もあります。怖いもの見たさというか……、見てしまったからには見届けなければいけない。という使命感というか……。とにかく終盤へと進むにつれて、物語が加速していく。そんな感覚を味わえます。
同時に読んでいて他人事とは思えないのです。
その場に自分がいたとして、正しい選択ができたのか。そう考えると出来そうにないと思います。目の前に差し出されたものが禁忌に触れるものだ。そう分かっていたとしても、分かっているからこそ触れたくなる。そういった欲求に最後まで抗い切れるとは思えません。
結末に至るには様々な要素が絡み合うのですが、舞台が外の人があまりやってこない村。というのも重要なポイントだと思います。
狭く閉じた世界では思考や知識が偏り、客観的な正しい判断を下すことが出来ない。そういった教訓めいたことも考えてしまいます。
視野はいつだって広く、知識は大切……。胸に刻んで生きます……。
そして竜って絶対的で、恐ろしく、人間が太刀打ちできるものではない。そう改めて感じました。
最近だとあっさり倒されたり、食べられたり。友好的で使い魔感覚な竜が登場する作品もよく見かけるので、そうそう。竜ってこういう感じだよね!こういう竜好き!と妙な所でもテンションがあがりました。
こういうと竜が悪いみたいな感じにとられそうですけど、竜は別に悪くない。というか何もしてない。っていうのが……。
人間って愚か。そう思ってるかもしれません。
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