第5話 ホーム


僕の名前は寺野かずお、ごく普通の高校生男子です。

隣の席の中島さんはいつも僕に疑問を投げかけてきます。


 

 

 

中島さん『ふぃ~…授業終わったねぇ、』

 

寺野くん『ふぃ~、って…変な声出してどうしたの?』

 

中島さん『う~ん、最近、家で暇してるんだよね~』

 

寺野くん『まぁ、僕も家に帰ったら暇だよ、だらだらテレビ見てるかな』

 

中島さん『昨日は何か面白いテレビ番組あった?』

 

寺野くん『えっとね、

     昨日は【ホーム・アローン】っていうロードショーやってたよ』

 

中島さん『ホーム・アローン?』

 

寺野くん『海外の映画だよ、1990年の作品だから結構昔の作品だけど、

     凄い面白かったよ!』

 

中島さん『ふーん、ホーム?アローン?和訳すると【家で1人】っていう意味?』

 

寺野くん『まぁそんな感じかな。

     映画の内容を話しちゃうとネタバレになっちゃうから言わないけど、

     機会があったら見てみてよ』

 

中島さん『あ!そういえば【ホーム】も【アローン】もB'zのヒット曲だね!』

 

寺野くん『そうなんだ。もしかしたら聞いたことあるかもしれないなぁ』

 

中島さん『すごいね!そのホーム・アローンっていう映画は

     B'zのヒット曲が2曲も入ってる映画ってことでしょ?

     私、B'z大好きだから見てみたいなぁ!』

 

寺野くん『違う!違うよ!タイトルがたまたま同じだけでB'zとは関係ないの!』

 

中島さん『え?違うの?なーんだ、じゃあ見ないかも…』

 

寺野くん『タイトル聞いただけで何でそんな勘違いしちゃうのかな…』

 

中島さん『えーでも映画のタイトルだけ見て、

     内容はどんなのだろう?って考えたりしない?

     私は結構考えたりするけどなぁ?』

 

寺野くん『まぁ、何となくわかるけど…』

 

中島さん『ホームと言ったら【ホームドラマ】って聞いたら

     何だか、お家で温かい、ほのぼのした内容のドラマっていうのを

     私は想像したりするけどなぁ』

 

寺野くん『うん、何か【ホーム】って聞くと温かいイメージがあるよね』

 

中島さん『…でも駅のホームは寒いよ』

 

寺野くん『ま、まぁそうだけど…何ですぐに駅のホームが思いつくのかな…』

 

中島さん『ん?駅のホーム?駅のホームって和訳すると【駅の家】っていう事?』

 

寺野くん『いやいや、駅のホームのホームは

     たしか【プラットホーム】を略したものだよ!』

 

中島さん『ぷらっとホーム?【ぷらっと】はひらがな?カタカナ?

     何でそんな名前なの?』』

 

寺野くん『(だめだ…話がどんどん脱線していく……)』

 

中島さん『ねぇ寺野くん、何で【ぷらっとホーム】なの?

     酔っぱらったサラリーマンのおじさんがぷらぷらしてるから

     【ぷらっとホーム】なの?【ピタッとハウス】みたいなものなの?』

 

寺野くん『ええっと、プラットホームの名前の由来はわからないけど、

     間違いなく、おじさんがぷらぷらしてるから

     プラットホームっていう意味ではないと思うよ!』

 

中島さん『うーん、何でぷらっとホームなんだろう?』

 

寺野くん『こ、今度調べておくよ…』

 

中島さん『ホームルームは?』

 

寺野くん『え?』

 

中島さん『だって、ホームルームを和訳すると【家の部屋】になるじゃん!

     ホームルームは学校でやるじゃん!家じゃないじゃん!』

 

寺野くん『それも何か名前が付いた由来があるんだよ!』

 

中島さん『他にもあるよ!ホームランは家で走ることなの?

     ホームベースは家の形の楽器のベースで、

     ホームゲームは家でゲームする事で、

     ホームグラウンドは家にあるグラウンドの事なの?』

 

寺野くん『中島さん…意味わかってて言ってない?』

 

中島さん『ホームレスは家のレスポンスの事で、

     ホームシックは家が病気になっちゃうことで、

     HOME MADE 家族も活動休止しちゃってるし…

     お笑いコンビのホーム・チームも解散しちゃったし!』

 

寺野くん『最後の方の人、誰だかわからないよ!』

 

中島さん『ホーム・チーム好きだったのに!』

 

寺野くん『知らないよ!』



 

中島さん『…はぁはぁ…』

 

寺野くん『…はぁはぁ…』



 

中島さん『…何の話だったっけ?』

 

寺野くん『……もう覚えてないよ、家に帰りたい…』




 

 

 

 

…補足説明として、この二人の会話を聞いてると、

中島さんがふざけてるように聞こえてしまうかもしれませんが、

困ったことに中島さんは本気で話しているんです…

 

寺野くんが中島さんの疑問に答え続ける日々はまだ続きそうなのでした…

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