194-4.明日に近づく(アインズバック視点)
*・*・*(アインズバック視点)
とんでもない知らせが来た。
「……明日の婚約パーティーに、最高神のおふたりが!?」
カイルキアからの魔法鳥の伝達には、そのようなことが書かれていた。本当か、と何度も読み返したが……何度見ても見間違いはなかった。
「だっははは!! さっすが、我が妹なんだぞ!!」
馬鹿息子は事の重大さがわかっていても、ただただ大笑いしているだけだ。イラついたので、軽く尻は蹴った。
「まあまあ。素晴らしいことではありませんか、アインズ様」
我が愛しの妻は、本心からだと言わんばかりに輝かしい笑顔になった。本当に本心からだから……これは、邪険に扱えない。
「そうは言うが……そうは言うが、最高神の方々がだぞ?? 娘の婚約発表の場に……と思うと」
「だからこそですよ? 私やこの国……ひいては、この世界を救ってくれたチャロナがカイルキアと夫婦になるための婚約を成すのです。お祝いされたいのも無理ありませんわ」
「おっれも、そう思うー!」
アクシアが言うのも最もだ。
この女性が蘇ることが出来たのもだが、我が国だけではなく……世界に蔓延しようとしていた【枯渇の悪食】に関する負の部分を止めてくれた。
本人に言えば、選択しただけだと言いそうだが……それが大事だった。そのお陰で俺の手元にもだが、セルディアスにアクシアが戻ってきてくれたのだ。
そのチャロナが好いている相手であるカイルキアと……婚約するのであれば、祝わなければならん。神も認められているなら……俺がうだうだしようとしていても意味がない。
「…………明日は俺達以外だと、ごく限られた参加者しか出席しない。盛大に祝うしかあるまい」
「ふふ」
「父上、素直じゃないんだぞ」
「うるさい……」
たしかに、ドレスなどは作ったが……馬鹿息子伝えに聞いたが、かなり喜んでくれたらしい。直接言われたわけではないが、俺も俺で嬉しく思えた。明日のために、もう仕上げも済ませてチャロナのところへは届けさせている。
(……俺とアクシアが選んだ生地で、俺が仕立てたドレス……)
シュライゼン曰く、とても似合っていたそうだが……どのように似合っているか……明日が非常に楽しみだ!!
たとえ、俺の手元から離れる日だとわかっていても!!
「あと少しで、俺とシャルの式も近いことは言うし……来年には、チャロナ達も結婚出来ると思うんだぞ!!」
「ええ、そうね?」
「…………来年か」
他にも、捜索隊として編成していた彼らも……ほとんどが婚姻の約束を結ぶことが出来た。フィーガスのところは子が出来たと聞いたが……手を出すのが早いな……と、生来の
マックスも、レクターも……それぞれ想う相手と手を取り合うことが出来た。
ならば……我が娘のことについても……俺もうじうじはしてられん。
とりあえず、明日に渡す予定の品々をアクシア達と再確認してから……俺は出来るだけ、明日以降の仕事をため込まないように書簡を進めた。
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