194-3.再訪は予感通りに
*・*・*
「来たわよー?」
「ヤッホー!!」
なんとなく、予想していた通りにユリアさんとフィルドさんがやってきた。シアちゃんもだけど……フィー君も当然いない。よその世界に行っちゃったからね?
「いらっしゃいませ」
そして、いつものように出迎える方が良いと思い、私はいつものように笑顔で挨拶した。それを見たおふたりは、にっこりと笑顔になられてから……魔法かなにかで以前にも渡してくださった魔法瓶を取り出した。
「はい、これ」
「今回は??」
「お酒よ? もう無くなったんでしょう??」
「さすがです」
ホムラから取り寄せる前に先にきちゃった……けど、有難いので
「で、で? 明太子出来たんだって??」
「ちょうど、メンタイフランスとポテサラチーズパンがあります」
「おお!」
「チャロナは器用ね?」
「ユリアさん達のお陰ですよ?」
この前ユリアさんがいらした時に、いただいた
とりあえず、作ったメンタイフランスとポテトチーズパンをお出しすれば……おふたりとも目を輝かせて下さった。
「「美味しそう……!!」」
「どうぞ、お召し上がりください」
「「いただきます!!」」
パク、サクッと音が出て、もぐもぐと美味しそうに食べてくださる。
それだけで、私はこれを作ってよかったな……と思うことが出来た。
「おいしー!!」
「辛さも程良い……プチプチとした食感もだけど、風味もいいわ。メンタイフランスには……これは、マヨネーズ??」
「はい。マヨネーズがメインでバターを少量混ぜてありますよ?」
「……ワイン飲みたくなるわ」
「俺も〜」
けど、結局飲むことはなく、パクパクと二種類を食べてくださって……その直後、カイルキア様が食堂にいらっしゃった。
「最高神がいらしていると……」
「あら?」
「お邪魔してるよ、カイルキアー?」
「…………今日は、その御姿で」
と言ってから、カイルキア様はフィルドさん達に深く腰を折られた。
「そうね? どちらが本来……というのは、神である私達には特に決まりはないけれど」
「チャロナ達のお陰で、力も万全だし。こっちでいるのもだいぶ慣れてきたしね??」
フィルドさんがカイルキア様をなでなでされる姿は、ちょっとシュールに見えたけど……おじいさんの姿が重なると、なんだかしっくりするようにも見えた。
(そう言えば……エリザベート様くらいのおじいさんおばあさんって、まだ会っていないけど)
明日のパーティーにはいらっしゃるって聞いたけど……どんな人達かなあ??
「あ、チャロナ?? 俺とユリア、明日ちょっとだけ顔出しするから」
「え!?」
お父さん達もフィルドさん達は知ってるけど……他の人達の前に??
だ、大丈夫なんだろうか……カイルキア様も冷や汗出ているのがよくわかるくらい焦ってるけど……。
「大丈夫、大丈夫。君達への祝福くらい……式でやってもいいけど。まだまだ先だからな?」
と言って、フィルドさんは今度は私の頭を軽くぽんぽんしてくださった。なんだか、本当におじいちゃんに撫でてもらえているようで……嬉しかった。
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