【幕間】『アップルデニッシュ』






 ★・☆・★









 軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。


 そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。



『……アップルデニッシュ。櫛田、子供の頃はアップルパイとか毛嫌いしてたんでふけど、大人になってから好きになったんでふうう!! あのトロトロりんごにサクサクのパイ!! りんごの煮汁吸ったパイ生地がカスタードっぽくなるのもしゅきいいいいいい!!』



 ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上に美味しそうなアップルデニッシュ達がたくさんが浮いている。


 そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。




「あるある! 子供の時苦手だったのが大人だと食べれるのが!!」


「あるわよね〜……」


「きのこはダメ?」


「何で調理してもアウトよん!!」


『ちょっと最近、勤務先の試食で食べれるようにはなった!!』


「なんですってぇええええええ!!?』



 櫛田をホームラン。




『……嫌いに変わりないけど、食べれた……だけ』


「いいことですね! 好き嫌いが出来るだけ無くしましょう!!」


『うん……』


「チーちゃんはたしか」



 マックスの口を思いっきり両手で塞ぐチャロナ。






『りんごの甘煮』


《材料》


 りんご…………大きめ二個


 砂糖…………50-60g


 ラム酒…………小さじ1


 バター…………20g


 レモン汁…………大さじ1




『まずはりんごの甘煮から作るでふ!!』




《作り方》

 ①りんごの皮を剥いて、デニッシュ用にくし切りにしてから少し厚めに切る(薄過ぎず厚過ぎず)



 ②鍋にりんご、砂糖、レモン汁、お好みでラム酒投入。中火にかけていくと水分がりんごから出てくるので、時々上下をひっくり返しながら煮る



 ③15-20分煮て、りんごから出た水分が減ってしんなりしたら、バターを加える。混ぜて、バターが溶けたらすぐに火から下ろす



 ④バットなどに移して粗熱を取る。すぐに使わない場合はタッパーに入れて冷蔵庫へ




『今回はだいたい冷めたら、すぐに使うでふ!!』






『熱々アップルパイ風のアップルデニッシュ』



《材料》


 *これまで使ったクロワッサン生地シート


 *上の甘煮りんご


 溶き卵と水…………卵一個につき水適量




「シートは冷凍パイ生地のシートでも全然大丈夫です」




《作り方》

 ①生地が常温であれば、それを普通のクロワッサンのように三角にカットしておく



 ②甘煮りんごを芯にする。生地の広い方に載せて、くるくる巻いていく



 ③オーブンの天板にクッキングシートもしくはシリコンシートを敷いておく



 ④間隔を開けてデニッシュを並べる



 ⑤ある程度、常温で二時発酵。さらに、発酵器ニーダーポットでひと回り大きくなるまで発酵していく



 ⑥卵液を刷毛で満遍なく塗っていく



 ⑦予熱しながら、200度の中で焼いたら180度に下げて、40分じっくりと焼く




「出来立て熱々が食べたいわん!!」


「けど、焼き立てってぼろぼろになるからねえ……冷めてもだけど」


『櫛田の勤務先の新商品の予定!!』


「はやく食べさせなさい!?」


『む〜り〜!! 今回は材料の分量をわかる範囲で載せたですん』



 だんだんと暗くなっていく。

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