181-4.残念称号が取れた






 *・*・*










 のんびり過ごしてからお屋敷に戻ったら……悠花ゆうかさんから話があると、私とカイルキア様を自分が借りている部屋に招いたのだ。



「重大発表なのよ、チーちゃん……」


「ど、どうしたの??」



 深刻な表情をするから、何かとんでもないことが……??


 と思ったら、いきなり『にま〜』って効果音がつくくらいにっこり笑い出した。



「あたしの『残念称号』が外れたのよん!!」


「「は??」」


「残念称号って……あのお腹が異常に空く??」



 どう言う理由でついたかわからない、悠花さんだけの称号……それが、いきなり取れた??



「どう言うことだ、マックス?」



 カイルキア様も意味がわからないと、首を傾げるしか出来ないでいた。


 すると、悠花さんはふふんって少し胸を張った。



「フィルドがあたしんとこに来たのよ。【枯渇の悪食】を解決した要素の関係で、あたしにつけていた称号を外しに来てくれたわけ」


「悠花さんのも??」


「どっちかと言えば、チーちゃんのためね?? チーちゃんの異能ギフトに負担がかからないために、あたしが肩代わりしてたらしいわ」


「……それで??」


「大食いだけはそのままだけど……これで、いつでも倒れるようなことはナッシングだわん!!」



 どうしてこのタイミングで、フィルドさんがやって来たかまではわからないけど……悠花さんの負担が軽くなるのなら、いいことだと思う。



「あ、フィルドさん……どっちの姿で来たの??」


「じーさんじゃなくて、あの生意気なやんちゃ坊主の方ね?」


「そっか?」



 私の方も近いうちに来るって言ってたけど……いつかなあ??


 また美味しいパンやご飯を作って、おもてなししなくちゃ!!



「となれば。ホムラに行く際に、あちらに迷惑をかけるようなこともないな?」


「そうね〜?」



 カイルキア様にとっては、そっちを気にされていたようだ。



「ホムラへはあと一週間後ですものね?」


「ああ」


「だわね??」



 あと少し。


 いくら今は王女でも、皇室の方とお会いするだなんて一生のうち絶対ないと思っていた。


 それと……マザー・リリアン。


 彼女とも会いたい。


 襲撃から無事だったとは言え……ある意味、私のせいで大変なことになったのだから。謝罪だけで済まないけど、きちんと謝りたいのだ。


 とりあえず、悠花さんの残念称号が外れてどれだけ落ち着いたか確認したんだけど……。


 大食いはそのままだと言うからか、本当に食べる量だけは変わらなかった!!?



『マスター!? 称号外れたってほんとでやんすか!!?』



 本当なのかそうかわからない具合に……レイ君もだけど、私も止めるのが大変だった……。

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