178-3.張り切ったお弁当
*・*・*
お夕飯を作ってから、お弁当のラインナップをどうするか……シェトラスさんに食材の使用許可を取ってから調理台の上に並べていく。
温度管理については、無限∞収納棚の時間停止機能みたいなのがあるから気にしなくてもいい。
けど、少しでも前回とかと違うのにしたい。味噌も醤油も、カイルキア様がエスメラルダさんやヌーガスさんの故郷に仕入れを持ちかけたそうなので……このお屋敷でもだがリュシアの街などでは買い付けが出来るようになったらしい。
鯖などについても、クスティからエコールさんとかが定期的に魚介類を届けてきてくれる。であれば……お弁当と言うに相応しいかはわからないけど、久しぶりにシーフードカレーパンを少なめに仕込んで、収納棚に保管。
端数で残ったのは、
「……あとは」
揚げ物ももう一個入れるなら、と唐揚げでタルタルソースたっぷりのチキン南蛮。
お野菜はほうれん草のバター醤油炒め。フルーツトマトと言えるくらい、甘いプチトマトはたっぷり。
飲み物と言うか、汁物にはフィルドさんからいただいた魔法瓶のマジックアイテムで、二人分の豚汁風に。根菜はひと通り使ったけど、ごぼうはまだ未確認だったから今回は無し。
あと、メイン兼主食がカレーパンではあるが……カイルキア様は健啖家なくらい召し上がられるので、シャケフレークの俵型おにぎりは作った。
「壮観だねえ??」
一緒に手伝ってくださった、エイマーさん達には味見も兼ねて食べていただきました。
「弁当は、サンドイッチだけが主流だったけど……チャロナちゃんのは肉も野菜もバランスよく入れてある。……我々も見習わなくては」
「私や悠花さんのいた世界でも、ここまで大掛かりなのは催し物とかくらいですけどね?」
「うん。旦那様とのデートだ。張り切るのも無理はないしね?」
「…………はい」
三回目だけど、フィルドさん達の妨害もなく過ごすのは多分初めて……。ちょっと、料理が張り切り過ぎたかもしれないが。
『……ところで、チャロナはん?』
夜食代わりに、余ったおにぎりを食べてたレイ君が声をかけてきた。
「なーに?」
『まだ数日でやんすけど。カイルの旦那との婚約発表とかしないのでやんすか??』
「「「あ」」」
たしかに、誕生日パーティーはともかく。
お父さん達に連絡はしたはずなのに、そこをどうするかはカイルキア様からは聞いていない。
明日のデートの時にでもわかるかな??
とりあえず、出来上がったお弁当は順次、収納棚に大切に保管しました。
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