177-1.ホムラに伝えるまんじゅうは?






 *・*・*











 再開させること。


 そして、これからしていくこと。


 大きく分けて、メインは二つだけど。



(ホムラへのおまんじゅう指導と……フィーガスさん達のウェディングケーキ)



 後の方は、カレリアさんのご出産が終わって落ち着いてからだから、最低でも半年以降。


 おまんじゅうの方は、多分近いうちに。


 孤児院での差し入れ再開よりも先がいいかもしれない。移動については馬車じゃなくて、お兄さんの転移魔法で行くから問題はない。


 だから、おまんじゅうの方のレシピを復習しなくちゃ。



「甘味を抑えた胡麻餡子。小豆の餡子にカスタード」



 けど、よくよく考えたらホムラのおまんじゅうって……中華まんぽいんだよね??


 パンは少なくて、主食はただ皮の部分を蒸したものだけど。それも、咽せるようにパサパサで美味しくない。


 何が問題かと言うと、おそらくベンチタイムの問題だと思う。マザーの作り方を思い出しながら、今作ってみると比較出来るところがあったから。



『ご主人様ぁ。どーちまちた??』



 レイ君のお手伝いを今日もしていたロティが、餡子達を並べて悩んでいた私の隣にやってきた。



「うん。ホムラの皇室に……どのおまんじゅうをメインにお伝えすればいいかなって」



 今回が最初の始動だから、慎重にいきたい。


 ホムラの皇族……リンお兄ちゃんとは縁戚である方達は、私が転生者であることはお伝え済みらしい。一度、お兄さんとリンお兄ちゃんがあちらに私のパンを持っていった時に説明したんだって。



『にゅ? 全部はダメでふ??』


「ダメじゃないけど、行くのは私達以外だと悠花ゆうかさんやリンお兄ちゃん達だし」



 手際の悪さとかではなく、純粋に食べたいとか言い出すから……リンお兄ちゃん以外……だから、今回は限定にしたいのだ。



『にゅぅ。むずかちーでふ』


「主食にするか、甘いのにするかなのよね?」


『けど、チャロナはん? ホムラは甘いのが多いでやんす。それなら、馴染みのある甘いもんがいいんじゃ?』


「……やっぱり、そうかな??」



 レイ君の言う通り、皮の部分以外だとかなり甘いおまんじゅうが主流のホムラ。カイルキア様が私を捜索してた、冒険者時代にも何度か食べたと言うおまんじゅうも基本的にが胡麻餡子のおまんじゅうだったと言う。


 ただし、今の私が作るものとは違い、その餡子には小豆が使われていない。ほとんど胡麻ペーストの甘ったるいおまんじゅうだったそうだ。なら、胡麻団子も教えた方がいいかも。



『にゅ? 決まっちゃでふ??』


「うん! けど、全部甘いのは舌が疲れるだろうし……肉まんだけは入れようかな?」


『でふぅうううう!!』


「今日のおやつはピザまんにしよう!! 孤児院のおやつもそれにしようかな?」


『ピザまん、ピザまん!!』


『え……? あのピザをまんじゅうに??』


「ソースとかの具材を中に詰めるの」


『ほー??』



 そうと決まれば、まずは材料集め。




 赤パプリカ


 水


 玉葱


 ニンニク


 豚肉薄切り


 片栗粉


 トマト


 コンソメ


 ケチャップ


 塩胡椒


 乾燥パセリ


 薄力粉


 強力粉


 オリーブオイル


 蜂蜜


 塩


 ドライイースト


 ピザチーズ



「ピザと同じような材料が多いね??」


「ですね? 料理長」



 材料を揃えてから、エイマーさん達も加わることになりました。

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