166-3.息子として止める(シュライゼン視点)
*・*・*(シュライゼン視点)
まだ、夢心地にいる感じなんだぞ。
母上は一度亡くなったあの襲撃の時の姿ではなく、父上の隣に立ってちょうどいい年頃になっていたんだよね?
たしかに、十六年前の姿だと若々しいからなあ?
(今日は家族でパジャマパーティー!!)
お風呂に入りに行く前に、俺はメイドに頼んで布団だけをチャロナの寝室に並べるように指示した。俺と同じくらい広い部屋だから、四人で輪になるように。
昔、マックスに教わったパジャマパーティーの作法なんだぞ!
横に並べるのもいいと思ったが、四人だけだしね?
せっかくだから、向かい合っておしゃべりしたいし!
今チャロナと母上は城の女性用入浴場に行っているだろうが……母上は久しぶりでも、チャロナは『あわわ』とか驚いているだろうなあ?
カイルんとこより断然広いからね? 何せ、城の風呂場だから。
俺も準備が出来たら、父上が先に入っているだろう男性用の入浴場に向かう。今日城に泊まらせているカイル達もいるだろうと行ってみれば、いたのは父上だけだったんだぞ?
「父上ー、向こうの準備は出来たんだぞ?」
「…………そうか」
体を洗いながら言えば、父上は静かに返事をしてくれただけだった。
「……どうしたんだい?」
「…………未だに、信じられんのだ」
「…………そうだね?」
チャロナを無事に王女として迎えたこともだけど。
もう二度と会えないと思っていた、母上が生き返った。
特に後者については、絶対ないと思っていたから……神はつくづく、俺達にと言うかチャロナに甘いと思う。
それだけ、あの子の前世での死が悲惨なものだったから。
「……アクシアが。アクシアが、また俺のところに戻ってくるだなんて」
「…………父上。その勢いで母上と盛り上がらないで欲しいんだぞ?」
「な!? な……ぃ……」
「俺が言わなきゃ、やってるとこだったね!?」
いくら、父上達が四十代とは言え。
俺とかは二十二なんだぞ!?
親子くらい離れた兄妹だなんて勘弁して欲しいんだぞ!!?
「…………だが。アクシアが戻ってきた……んだし」
「ダメとは言わないけど、避妊の薬は服用して欲しいんだぞ!!」
「いいだろ!? 俺とアクシアの次の子供が出来たって!?」
「じゃあ、父上? 俺とシャルに子供が出来たら……孫と一緒くらいの年齢はいいのかい?」
「!?……………………ダメ、だな」
「うむ!」
別に親の閨事については、とやかく言うつもりはないんだぞ。けど、避妊は絶対。
俺とシャルの婚礼まであと一年もないんだから……そこはしっかりして欲しい。
それに、チャロナとカイルだって!!
(チャロナがカイルの屋敷に戻ったら……結ばれるかもしれないし)
お兄ちゃんとしては、妹と従兄弟が一緒になるのは嬉しいんだぞ!
それから、今日一日の疲れを取るのにしっかりと湯船に浸かって体を温めて。
脱衣所で待機していた侍従達に、髪などを整えてもらってから。
いざ、再びチャロナの部屋へ!!
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