141-4.陶酔(???視点)






 *・*・*(???視点)







 暗殺者を雇っても雇っても、金の浪費しかならない事態になってしまった。



「……くそ! 何故だ? 何故、王女殿下を殺せない!?」



 幾度、幾度刺客を放っても。たいてい戻って来ないし、運良く戻ってきた奴でも『公爵家には恐ろしい護衛がいる』とだけ言い残して去ったのだ。


 ローザリオン公爵家は、たしかに王家の血族が色濃く象徴されているから護衛はいたっておかしくはない。


 だが、こうも毎回毎回こちらが刺客を放っても叩きのめされる相手と言うことは。相当な手練だと言うことはよくわかった。


 しかし、それでも諦める僕ではない。



「絶対……絶対に認めない!!」



 陛下方には悪いが、王女殿下は絶対亡き者にするのだ。


 だが、王女殿下の方が難航しているのなら、先にあの女の方を殺せばいい。たしか、アルフガーノ伯爵夫人になるとか風の噂で聞いたが、宰相閣下の血族になるのも面白くない。


 王女殿下の方も諦めないが、先に殺せるなら殺してしまおう。


 ああ、僕はなんて愚かだったんだ。


 アーネスト様の弟子は、この僕だけなれればいい。


 邪魔者は、全部排除だ!



「くく……くくく……ははは! あーっはははは!!」



 アーネスト様。待っていてください。


 あなたの本来の弟子となる人間が、邪魔者をすべて排除いたしますとも!!

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