119-5.来たる日に(フィルド視点)
*・*・*(フィルド視点)
今回は、本当に彼らの覚悟を試した。
言いふらす人間でないのは知ってはいたが、心の中まではそうもいかない。
だが、隻眼であり、『石眼』となったあの女。エスメラルダは俺達の正体や動向を勘繰った上で、
友達、となったサイラという青年もだが。実に面白い。
さらに、ウルクルの
皆、姫のことが好きだから、きちんと受け入れたのだ。
「いくらか、姫の心に余裕が出来たんじゃないかしら?」
「そうだね?」
妻のユリアネスは、本当に姫を心配していたからほっと出来たようだ。
最近は主に、姫の作る、蒼の世界では定番の人気メニューばかりだったからPT配分とレベルアップ作業にあくせくしていた。
姫自身も勘付いていたから、俺もユリアも毎回のレベルアップの時に見せてた世界の記憶は一時閉ざしていたが。
姫の生誕の式典まであと半月程度。
そろそろ、俺達の計画も進めなくてはいけない。
(……シアの準備も、整いつつあるし)
強固派を後退化させ、姫の作った食事を最後に口にしてした日から。ディーシアはずっと眠りについたままだ。
来たる日まで、準備を整えているからだが。もう一つ、俺は理由があると思っている。
彼がどう動くのか。姫とどう関わりを持って行くか。
少し、楽しみで眠りについているのだろう。機は熟したと言ってもいい。そろそろ、シアには『本来の姿』にならなければいけないのだから。
そして、別れと結びの時期も近いと言うこと。
(……必ず、成功させなきゃ)
俺とユリアが統べるこの世界の未来のためにも。
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