112-1.焼きカレードリア①
*・*・*
悩む……私、チャロナは非常に悩んでいた。
『でふ?』
「う〜〜ん。お米もいいけど、なんだかんだ悩んでたフランスパンもいいし」
なにを作るのに悩んでいたのかと言うと!
昨夜のドライカレーを普通に作るのもいいが、ポットパンと呼ばれてるフランスパンに入れて焼き込むのもいいんじゃないかと思いついてしまい。
ロティをギュッと抱っこしたまま、しばらく悩んでたわけです。
「? チャロナくん、前にも言っていたが。そのフランスパンとやらは、なんなんだい?」
「前世の、国外の一つにフランスと言う国があるんです。その国特有の固いパンを言うんですが、中身はふわふわなんですよ?」
「ふむ。平民達が食べているようなのとも?」
「あれは焼き過ぎとか、発酵方法を間違えてたりとかで違いますね?」
けど、ポットパンでカレー以外にもシチューなんかで焼き込めば……カイルキア様にもきっと喜んでくれるはず!
だけど、
なので、ポットパンはやめておくことにして、予定通りドライカレーを作ることにした。
だけど、焼いたカレーにヒントをもらったので、お昼のメニューを変えてみようと思う。
「グラタンでも作るのかい?」
大量に見つけた耐熱皿を、
「いえ、少し違います。ホワイトソースの代わりにカレーを使いますし。マカロニじゃなくて、お米を入れます」
「………………どうなるの?」
「私もわからない、です」
『俺っちも』
なので、試食も兼ねて一皿作ることにした。
「作り方は色々ありますが。まず炊いたご飯を敷き詰めて、その中央を少し窪ませます」
「「『うんうん』」」
そこに卵(コカトリスの)を一つ落としたら、やっぱりロティ以外の皆さんを驚かせてしまった。
『や……焼いたり、茹でたりしはらへんでやんすか!?』
「ちゃんと焼くよー? イメージは昨日の目玉焼きに近いけど。窯とかで焼くからより柔らかいかもだけど」
『ほっ』
「この卵の周りに、作ったカレーを敷き詰めて」
さらに、浮き出た卵を隠すように
「あとは、ロティのオーブンで数分焼くだけです!」
「『「簡単!!?」』」
「チーズとカレーのいい匂いがしますから、気をつけてくださいね?」
「チーズ!?」
「わ!? エピアちゃん!」
裏口からだったけど、納品しにきたらしいエピアちゃんが大きな木箱片手に立っていた。
前髪を綺麗に切り分けて、これまた美少女っぷりを表に出したことで。好物への欲望が目にありありと浮かんでいた。
もう今すぐ食べたい! って感じに。
「今日……前にも来てたフィルドさん達がいらっしゃるんだよね? 昨日のカレーだって聞いてたけど」
「う、うん。普通でもいいかもしれないけど……より美味しくしようと、焼きカレードリアに」
「! 今日のお昼ご飯も!?」
「う、うん!」
「チャロナちゃん、ありがとう!」
「し、試食会するんだけど。いる?」
「いいの!?」
今も漂ってる、チーズとカレーのいい匂いに耐えきれそうにないもの。
とりあえず、木箱を片付ける手伝いをしてから、エピアちゃんには
『ぷぷぷっぴぷ! でーきまーふたぁあああ!!』
そして、エピアちゃんにも初お披露目のロティのオーブン。
ちょっと驚いていたが、中から出てきたとろけて香ばしい匂いのチーズに頭を占められてしまったようだ。
「カレーに、チーズ!?」
「普通にカレーに載せるのも美味しいけど。今日はせっかくなので」
「これは美味しそうだねぇ? せっかくだから、熱いうちにいただこうじゃないか?」
「『「はい!」』」
私は、昨夜の反省もあるので今回は辞退。
シンプルなドライカレーだけで、あのPT数だよ?
ならば、アレンジの焼きカレードリアの方がもっとやばい気がする!
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