61-2.キラキラプリンアラモード
蒸しプリンなので、作り方はそこまで難しくありません。
シェトラスさんとエイマーさんは、少し買い出しに行くからと厨房の任を若輩者の私に預けて、お出かけされてます。プリンはもちろんとっておきますとも。
用意する材料は、
コロ牛乳
全卵
卵黄(共に贅沢にコカトリス)
グラニュー糖
バニラエッセンス
それと、カラメル用に別でグラニュー糖と水を用意。
お湯でもいいんだけど、今回は一緒に蒸し焼きするから作り方が少々違うわけで。
『ではでは〜〜、『
ロティは今回ほとんど関わるわけではないのだが、気合いを入れてくれるのに掛け声をかけてくれた。
「まずは、甘味と苦味があるカラメル作りから。これは火傷をしやすいので注意してくださいね」
小鍋に計ったグラニュー糖と水を入れて、中火をかけて煮詰めていく。
砂糖が水に溶けて、色が少しずつ変わってくると。
「だ、大丈夫なのかい、チャロナ?」
「この工程は焦がす必要もあるので、これでいいんです。煙が出ても全然大丈夫なので、ご心配なく」
けど、やっぱり泡立ってくるのと煙がすごくなってくると慌てだして、さすがに魔法を出そうとするのを悠花さんとレイ君に止めてもらいました。
「ここで、ボコボコに沸いて煙もMAXになったカラメルの火を止めて、すぐに止め水を入れます!」
すると、あら不思議?
プリンでは見慣れた、こげ茶のカラメルの出来上がり。
これはもう一度煮立たせて、 濃度を調整したらプリン型に入れて
「あ〜〜、そうよそうよ。この匂い。甘いけど、香ばしさもあって、ちょっとの苦味が甘いプリンに合うのよね〜」
「ほ、本当にそれ必要な材料なのかい?」
「論より証拠。作ってから食べてみなさいな。チーちゃん、あたし達は何すればいーい?」
「そうだね。一緒にプリン液作るのがいいかな」
全員で、卵を割って。一部は卵黄だけ取り出して。
卵白は収納棚にボウルごと保管しておけば、またフィナンシェなんかの焼き菓子に使えるからとっておく。
「鍋にグラニュー糖と卵達を入れて混ぜ合わせて、そこに沸騰直前まで温めたコロ牛乳をゆっくり入れながら混ぜて」
綺麗なプリン色になってきたら、バニラエッセンスを適量加えてざるで一度濾します。
「ひと手間で、表面に浮かぶ泡とかをおたまで取り除いて、スープの配膳用に使うおたまでプリン液を型に入れる前に」
これまた
同時進行でお湯をケトルで沸かしてる間に、プリン液を型に流し込む。
「このお湯は何に使うんだい?」
「蒸し焼きにするときに、このバットの半分くらいまで入れるんです」
「蒸す……って、いまいちわかってないんだが。湯気で火を通すのかい?」
「半分合ってますね」
かく言う私も、日本で普通に調理してたから分かるのと。ホムラの孤児院にいた頃は当たり前のようにしてたので。
とりあえず、全部のプリン型に液を入れたらロティにオーブンになってもらい。
「型を一個取り出して、お湯を型の半分くらい注いで型を戻して」
蓋はなかったので、これまたアイテムから取り出したアルミホイルに数カ所穴を開けて蓋がわりに覆って。
ロティの大容量オーブンにゆっくり入れてから蓋をして蒸し焼きに。
「温度は、こう言う器具を使う場合160度で30分かかりますね」
「ふむふむ。釜はあれど、こう言う道具はこの国でも他国でもないんだぞ」
「商業ギルドとかがロティちゃんのこれを知ったら、分解してまで知ろうとするからおいそれと出せないものね」
「なんだぞ。二人の技術はまだまだ一部にしか知られてはいけないしね。チャロナ、これオーブンじゃない場合はこの前みたいにフライパンでも出来るのかい?」
「ええ。数はあまり出来ませんが」
出来なくもないので、その方法を教えると、シュライゼン様はジャケットから何故か羽根ペンとメモ帳を出してメモし出したのだった。
「俺も練習して、婚約者の差し入れにするんだぞ!」
「わあ、婚約者様が?」
「かーわいくて、綺麗なんだぞ! 機会があれば、チャロナにも紹介させて欲しいんだぞ」
「は、はい!」
なんで?と思ったけれど、特に断る理由もないので頷いておくことにした。
それと、まだまだする事はあるので、分担作業だ。
①シュライゼン様にはホイップ作り
②悠花さんには果物のスライス
③レイ君は包丁使いが上手いので、果物で飾り切りをお願いして
④私はホイップクリーム作り
それが終わる頃には、ロティからのアラームが鳴ったのでプリンを取り出し。
固まってたら、別のバットに移し替えてラップで表面を多い、
「さてさて、いよいよ盛り付けです!」
全部は作らないので、食べる分だけ。
ただ、ここでレイ君にカイルキア様とレクター先生を呼んでくるのをお願いする。
持っていってもいいかもしれないが、夏の始まりになったこの時期は室内でもぬるくなりやすいので。
(……出来れば、自分の目で美味しいって思ってくれるのを見たいのもあるけど)
風邪になる前も後も、おやつの時間帯だけは直接見れないことが多かった。
贅沢な悩みだけど、好きな人の好きなものを作れるのなら、出来るだけ自分の目で耳で感想を知りたい。
それでも、カイルキア様は朝か夜に、美味しかったと言ってくださるけれど。
「冷やしたガラスの器に、まずプリンを移し替えします」
そっと持って、ゆっくりと天地をひっくり返す。
すると、重力に逆らわずにプリンがぷるるんと揺れながら器の中央に乗った。
カラメルも程よく溶け、プリン液に絡んだ天井部分は王道の茶色。
プリン本体も綺麗な卵色で艶やかで美しい。
これぞ、まさにプリンの姿!
『(`・ω・´)ふぉおぉおお! 食べちゃいでふぅう!』
「盛り付けてからね?」
『でふぅ』
「ほほーぅ、これがプリン? ゼリーとも違うんだぞ」
「食感と味はゼリーと比べ物にならないわ! チーちゃん、あたし好きに盛り付けたいんだけど!」
「いいよー?」
見本も兼ねて二人で一つずつ盛り付けることになり。
ホイップを絞ったり、アイテムに入ってたディッシャーでアイスを乗せて果物をたっぷり乗せれば。
「プリンアラモードの完成です!」
「(`・ω・´)ふぉおぉおお! これは、コースの一品にもなりそうな出来栄えなんだぞ!」
「これよこれよ! アイス溶けちゃうからあんた達の分も急いで作るわよ!」
『声かけて来たでやんすよー……うっわ、めちゃくちゃ綺麗でやんす!』
「あんたも手伝いなさい!」
『うっす!』
そして、急いで作った他のプリンアラモード達も。
綺麗だったり、なかなかに個性的な出来栄えになったのでした。
「あ、チーちゃん。カイルはベリーも好きだからベリーミックスにしたら?」
「うん!」
途中カイルキア様のを作る直前に、悠花さんから教えられた情報を元に盛り付けをしたんだけど。
とても、女の子らしい出来栄えになってしまい、少し恥ずかしかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます