第1話 旅
私は、身支度を済ませた。
彼がいなくなってから、支度をしてきた。旅に出れば人と会うことができる。そうすれば、彼が私を置いて行った理由がわかるかもしれない。
彼は、私が旅に出るときに困らないようにしてくれていたらしい。
人形である私の関節部分を隠しきれる服装がクローゼットにあった。
人の社会の常識は前もって教えられていた。
そして、護身用の………
「ロイド……。」
人形である。私が糸を使って操ることができ、攻撃能力も高い。
これは私が作った人形だ。作り方も教えられていた。
「準備はこれで終わりかな…」
家を出ようとして、忘れ物に気づく。
それは、彼からの最後の贈り物。
「くまさん…。」
彼のいない私の 心の拠り所だった。
「一緒に行こうね。」
小屋を出て、鍵をかける。
さて、旅を始めよう。彼のいないこの世界での、私の生きる意味を探しに。彼の心を知るために。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます