半沢直樹はウルトラマンだった

 このところ毎週見ている『半沢直樹』。たまたま前回の放映で出てくる政府閣僚の名前が、ウルトラシリーズの役名のパロディになっていると指摘している人がいた。なるほど、「早田」を筆頭に、「諸星」「郷秀樹」「東光太郎」とかどこかでたような名前ばかりだ。これはもうスタッフ総がかりで仕掛けたジョークだと見て良かろう。

 それに『半沢直樹』という番組じたい、「ヒーローものの番組」として良くできていることに気づく。半沢は絶対に負けないし、へこたれない。強い敵に追い詰められても、必殺技「倍返しだ」で逆転勝利する。いやあ、これは受けるわぁ。まさに日本的な番組だ。

 もちろん『半沢直樹』はフィクションである。『桃太郎侍』が本物の侍ではないように、半沢直樹のようなビジネスマンは本当にはいない。

 だからこそ僕ら半沢直樹の活躍に拍手する。実在の人間と同じように。ウルトラマンや仮面ライダーと同じように。

 そう、半沢直樹の悲しみは、彼が実在しないことではないだろうか。

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