またこんな事件が


 前回のアップから、また暗いニュースが続いている。

 アメリカ南部のエルパソでは恐ろしい大量殺傷事件が起きた。犠牲者は三一人。

『アイの物語』で書いたように「あの民族を根絶やしにすればこの世は良くなる」と信じ込んだ奴がいたのだ。そんなこと、あるわけないのに。

 日本でも似たような事件が起きた。愛知県で「あいちトリエンナーレ」を中止に追い込もうと、「ガソリン携行缶を持って館におじゃまする」などとファックス紙に書いて送りつけた男が逮捕されたのだ。本人はいたずらのつもりだったらしいが、無論、脅迫される側にしてみれば、そんなこと分かるわけがない。ガソリンを使った大量殺人なんて、その気になれば誰だってできるのだから。京アニであんな事が起きた以上、別の団体(アニメ会社とは限らない)で同じような事件が起きてもおかしくない。

 今回がいたずらだとしても、次もそうだという保証はない。

 ちょくちょく見ているはるかぜちゃん(春名風歌)のブログでも、「こんなに簡単にいろんなイベントが中止になる国で、来年どうやってオリンピックやるんだろう」と懸念を表明していた。また「作品が最悪であっても、それを暴力で潰して良いという事にはならないんだよ」とも。もっともである。

 しかし現実には、自分の気に入らないものは「暴力で潰して良い」と考える人間がいたるところにいる。自分にとって不愉快なものを消し去るのが「正義だ」だと信じる者たちが。

 それが全世界でテロやヘイトクライムが終わらない原因だろう。みんなもう少し冷静になろう。

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