陰謀論者は僕の宿敵

 先日、ひさしぶりに自分の本の評判を知ろうとして、「ビブリオバトル」で検索してみた。そうしたら何とIchinoseyayoiのツイッターがヒットしてしまった。

 うわあ、あいつ凝りもせずに、こんな活動を続けてやがったのか。

 胸糞悪いので全部読みはしなかったけど、内容相変わらず。特に僕が『幽霊なんか怖くない』で山本美香さん謀殺説を否定したのがお気に召さなかったらしく、山本さんが反政府軍によって殺されたというアホらしいな説を熱心に説いていた。


 あーあ、やっぱりバカだ、こいつ。


 政府軍の兵士が先に発砲してきたという佐藤和孝さんの証言を完全に無視。しかも反政府軍が自分たちのことを取材しているジャーナリストのことを殺すはずがないという疑問にも、何ら答えようとしない。もちろん佐藤さんが必死に逃げて無事だったことにも。

 もはや疑いはない。こいつは最低の陰謀論者だ。しかも愛する人を失った佐藤さんの証言なんか無視してしまうような。


 しかし、こうした珍説を唱える人間は珍しくない。

 たとえば『ニセ科学を10倍楽しむ本』で取り上げたアポロ陰謀論者や9・11陰謀論者がそうだ。子供でも分かる程度の理屈が分からず、誰かが唱えただけの何の証拠もない説にひっかかる。

 東日本大震災の際には、地球深部探査船「ちきゅう」陰謀説を唱えた人間も多かった。

 彼ら共通点は、お手軽な陰謀説を広めることで、何の罪もない人を非難したり、時には戦争や震災やテロの犠牲者をも自分たちのゲームのコマに利用しようとすることだ。


 僕はそんな陰謀論者をだんじて許せない。

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