第7話 ブリザード

わらの妖精に頼まれ、馬と戦う玄奘三蔵。

しかし、理事長によって攻撃を禁じられるのでありました。

さて、理事長の一声で身動きのとれなくなった三蔵に向かい

馬達がよってたかって襲いかかります。

「このハゲ~!」

「死ねや~!!」

あっというまに、三蔵はボコボコになりました。

たまらず、三蔵は孫悟空に助けを求めました。

「おい、サル~。助けてくれ~!」

「いやじゃ」

悟空が速効答えます。そこで会話が途切れました。

「これ、悟空!」

空の上から理事長が、1オクターブ高い声で叫びました。

「どうして三蔵を助けてやらないのです」

「だるいから」

「『だるいから』ではありません! もっと真面目に答えなさい」

「ほんなら真面目な事言うけど、人間万事塞翁が馬」

「そういう意味ではありません!」

理事長が鼻から湯気を出して怒りました。

「こらー! ええから、はよ助けえ!」

三蔵が悲鳴を上げます。

「いいから、お行きなさい!」

理事長も言いました。

「さもなくば、毎晩あなたの夢まくらに立って

面白い話をしますよ!」

「なんやと?」

ここでやっと悟空の顔色が変わりました。

「いやや! 理事長のオモロイ話だけは勘弁してくれ」

悟空は、かつて天界に居た時、

理事長のオモロイ話を聞き過ぎて

あまりの寒さにこごえ死にしかけた事があるのです。

「嫌なら、さっさとお行きなさい」

…ンな事言われたってなあ…。 

と、悟空は、頭をひねりました。

…暴力は使われへんしなあ…。

 暴力を使わずに、あのハゲと、

 わらの中坊を助ける方法なんかあるかいな。

ぶつぶつ言いながら悟空は、腕を組みました。

すると、腕にごろりと触れたものが有ります。

「あっ!」

悟空は叫びました。

それから、大声で叫んだのです。

「こら、馬! こっち見んかい!」

さて、悟空は一体何に気付いたのでしょう?

どんな方法で馬をやっつけるつもりなのでしょう?

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