三人の女たち(2)
「なんだぁ芽以も連れて行って欲しかったのに」
「なに言ってるの、高校生はお酒飲めないでしょ」
呆れる美穂を横目に陽子は芽以をなだめるように話題を変えた。
「それより芽以ちゃん、白馬の王子さまに声はかけることできた?」
「まだです。てか白馬の王子さまじゃないですけどぉ」
「陽子さん、芽以は腐女子ですから」
美穂の眼鏡はもう真っ白になっている。
「腐女子?」
「白馬の王子さまと王子さまが、いちゃいちゃ?っ、てのに萌え?ってなるのが腐女子です」
美穂は左右の人差し指を絡ませながら湯の中に沈める。
やめてくださいよぉとふてくされる芽以を陽子と美穂は笑った。
アラサー美穂に、年齢不詳の美魔女人妻陽子、自分の恋愛には目もくれずひたすらBLの世界に酔いしれる十七歳の腐女子芽以の三人はヨガ友だ。
毎週土曜のヨガの後はスポーツクラブの風呂場でガールズトークに花が咲く。
年齢が違っても恋という話題があれば女は意気投合できるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます