2日目

僕は地面に線を引き自分の名前を書いた。メイド・バイ・マイセルフ。

大地を削り水を流す。


僕が署名を済ますと夜が唐突にやってきた。ガチャンという大きな音が日の落ちた山の向こうで聞こえた。もしかしたら太陽が壊れてしまったのではあるまいか。不安になる。


僕は道をたどり、星を眺め、月と一緒に歌った。

いっこうにお腹も空かないし眠くもならない。不思議だ不思議だと思っているうちにおかしなフクロウが飛んで来て「どこからここにきても、さっぱりあそこには行けないものだ。どこから来れば、ここにきて、あそこに行けるのか?」というようなことを聞いてきた。

どこもそこも、だいたいどこに行きたいのだい?


「いつからいまになったものか、どうしたらその時に行けるのか?」フクロウはかわからないことばかり聞いてきて、僕はそのやわらかそうな頭の羽とか立派なまつげなんかを眺めてるうちにすっかり眠くなって、フクロウもそのままにして眠ってしまった。

もしかしたら、あれは夢だったのかな。

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