2.
イントロからすぐに始まるメロディー。すでにしゅんちゃんはマイクを持って準備万端。
『口がすべって君を怒らせた』
うんうん、あるある。男の人って、女心が分からないせいか、つい言ってしまった一言で女の人を怒らせること、あるよね。
『でも間違ってないから謝りたくなかった』
おっと?一波乱ありそうな状況だぞ。間違ってない、って自信ある感じね。でもさ、彼女怒ってるってことは何かしら理由があるはずなのよね。謝った方が良くないかい。
『分かってる それが悪いとこ それが僕の悪いとこ』
そうそう、悪いって分かってるなら早く謝りなよ、って……。はっ!これ、しゅんちゃんの歌じゃない!?
口がすべって私を怒らせたこと、何度あっただろうか。でも、謝らないの!きっと『だって俺、悪くないもん。』って思ってたはず。
へぇ、『僕の悪いとこ』って自覚あったんだ。
『「ゆずれぬものが僕にもある」だなんて だれも奪いに来ないのに鍵かけて守ってる 分かってる 本当は弱いことを それを認められないことも』
こういう繊細なところ、あるもんね。普段は人が言うことに柔軟に対応できる柔らかさを持っているのに、ここっていうところは譲れない頑固さみたいな、強情さみたいなところ。付き合っている内に、そういうところあるんだな、って分かったんだよね。でもしゅんちゃんはいつもニコニコしているから、全体的に見れば、その部分が表には出ていなくて、頑固な面があるだなんて一切、思われないの。
『思い通りに動かない君という物体を なだめすかして 甘い言葉かけて 持ち上げていく』
ご機嫌取りね、これもある。私はさほど強情でもないんだけどなぁ。でも、それは私の主観であって、しゅんちゃんから見たら思い通りにならない女だって思っていたかもしれない、みたいなこと?
褒めるのが上手だな、と思っていたよ。だから、私たちは大きなケンカをしたことがなかった。
『もう一人の僕がその姿を見て嘆いてるんだよ 育んできたのは「優しさ」だけじゃないから。。。』
えぇぇ、何ですと。嘆かれたら真の優しさだったんじゃないんかい!とツッコミたくなるよ。その育んだ優しさ、素直にそのまま持ち続けてもらえるだけでいいんですけど。
『争い続ける 血が流れている 民族をめぐる紛争を 新聞は報じてる 分かってる 「難しいですね」で 片付くほど簡単じゃないことも』
大きい話になってきた。でもね、分かる。私もニュースで世界中で起きている惨事を見るたびに、悲しくなってるよ。どうしてもっとシンプルに、皆が平和で笑っている世の中でいられないんだろう。何がそんなに物事を複雑にしているんだろう、って。
『誰もがみんな大事なものを抱きしめてる 人それぞれの価値観 幸せ 生き方がある 「他人の気持ちになって考えろ」と言われてはきたけど 想像を超えて 心は理解しがたいもの』
桜井さんの歌詞は時々、胸に刺さるんだ。人間味のある人なんだろうと思う。音楽の中に散りばめられた言葉が、時に深い意味が込められていることがあって、ハッとさせられるの。
しゅんちゃんも私もミスチルが大好きだったけど、音楽性だけでなく、桜井さんの歌詞が好きだったから、というのが理由としてある。しゅんちゃんはこの歌詞をどのように受け止めただろう。
『流れ星が消える 瞬く間に消える 今度同じチャンスがきたら 自分以外の誰かのために 願い事をしよう』
やっぱり優しい人だよ。こういうロマンチストは嫌いじゃない。
『口がすべって君を怒らせた でもいつの間にやら また笑って暮らしてる』
あ、またしゅんちゃんが現れた。そうなんだよ、私は怒っていたのに、気付いたら笑わせられて、あれ?何で怒っていたんだっけ?って忘れるぐらい。何だったら怒っていたのがバカらしくさえなって、もういっか~ってなるんだよ。
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