142.フィルミア降臨・事後処理
中継による同時情報通信のせいで、事件のあらましは各国にすぐに伝わり、
そして、エルフの森の異変が収束した次の日、世界中の都市の上空に、神が
前回は、神聖歴921年に起こった魔獣
「長らくこの世界を苦しめていた、瘴気大発生と、魔獣の
そして、フィルミアの両隣に、二柱の神が顕現し、フィルミアが続ける。
「さて、わたくしの仲間の神を紹介しましょう。イサナミア神とサティアス神です。創世の時より、われわれを見守っている神々です。この世界に邪神は存在しません。誤解を解くように。われわれは、地上にいる龍とともに、あなたたちの事を末永く見守りましょう」
と、フィルミアは地上世界すべての生命の心に届く声で話したのであった。
使徒による世界の危機の回避である、エルフの森の異変の詳細な報告が発表された。
さらに、巫女への神託経由で、再度、邪神教は誤解であり、それは、サティアス神を崇める宗派であり、サティアス神はれっきとした守護神だと。ドラゴンは神の使いであり、大事にすること、の報告も出ることになった。
平和への道筋と、この世界での新たな神の出現に、世界は喜びにあふれるのであった。
◇
エルフの森の異変から、二ヵ月後、セントリア連邦が正式に発足した。
魔導具通信の有用性は、エルフの森の異変で証明された形になり、通信機設置先の場所の数も増えつつある。
魔導船航路は、魔導船の数の制限から、当初の予定よりも少ない航路で始まったのだが、あまりにも有用なため、数を増やす要望が相次いでおり、今後の課題になっている。
「これは、何とかしないと、追い付かないな」と史郎。
「でも、この起点オブジェクトとフレームを作れるのはシロウさんだけですよ。ちょっと普通の錬金術士じゃ無理ですね」とアイーダ。
「そうなのか? 何とかならないかな」と史郎は思案するも、すぐに解決方法は見つかりそうになかったのであった。
◇
「よし、これで10個目が完成だな」
史郎は、ウイルス除去の腕輪を10個作った。各国に神殿に配布するためだ。
ウイルスの問題は、簡単には解決しない。当面は、問題のキノコに近づかない事と、食さない事が注意事項として連絡されている。
万が一、感染者が出た場合は、神殿で治療できるようにと、史郎は、治療用の魔道具である腕輪を作ったのだ。
そして、史郎は、第四のウイルス「魔石化ウイルス」を、イサナミアの協力のもと、作りだした。
このウイルスは、本来の瘴気化ウイルスと対になる物で、瘴気を魔石に変換する物だ。
史郎は、そのウイルスに、タイプCとタイムHの無効化の術を組み込み、自然界での自動的な処理ができるように改良した。そして、魔石化部分は、瘴気から効率的に魔石をキノコの中に成長させるようにプログラムし、後に、このキノコは魔石生産キノコとして扱われるようになるのであった。
そして、史郎は、そのことが、魔石の大量生産、そして、それを利用する魔導具の発展に期待できると考えたのであった。
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