月になろう
教室の隅に咲く花が好きである
今日は昨日と違う色で咲いている
当分は、その色だろう
窓辺に咲く花は下を向き
柔らかな太陽の光を浴びながら咲いている
それを、今日の夜、自分の窓から夜空を見て思い出す
月のように穏やかな気持ちにさせる花の事を
自ら水をやり、育てる事も考えた
しかし見ている方が眩しく
月の光を思い出させるから
大人しく、ただただ見ていた
ああ、今日も美しい
俯き、今日は別の色だ
自ら手を伸ばし、助ける事を考える
だが物憂げな姿がなくなるのは惜しい
夜空の月に光がなくなるくらいに惜しい
その目に月を宿らせて覗き込みたい
欲求に駆られるが、まだ少し、もう少し
そうだ、隠れて水をやろう
枯れてしまうのは不本意であるし
きっと花も、よりいっそう綺麗だろう
希望は一筋の光のようなもの
ひとつの花のようなもの
花は愛でるべきだ
分からない奴らが枯らしたり水のやりすぎで駄目にする
それだけは駄目だ
だから手を伸ばす、伸ばされた手を取る
ああ、少しだけ花が顔をあげた
君の太陽になるべく、月になろう
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