第3話 入浴トラップと夕食の話

「んー、とりあえず僕は風呂入ってきたいんだけど、どうする?」


僕は飯より先に風呂に入る。

理由は、飯食った後に風呂入ると腹が痛くなるから。

たしか血流と関係があったはず。


「そうね……わたしがさきにはいるわ。」


この偉そうな言い方、いい加減どうにかならんかなぁ……


「そんじゃあ先に入ってきていいぞ。」

「のぞかないでよ!」

「覗くかい!」


まだ小説の続きを待ってくれてる読者さんがいるので捕まるわけにはいかない。

待ってくれてる読者さん、いるよね?


え、ラッキースケベは起きないのか?

そんなんラノベだけでしょ。


というわけで、なにも起こさずに結乃が風呂からあがってきた。

なんか色っぽいのはなぜだ?

あと、パジャマどっから出てきた?


「神さまだからね。」


心の声が漏れていたらしい。


「そんじゃ、僕風呂入るね。」


結乃もいるからあんまり長風呂できないな……

と思いながら浴室のドアを開けると、そのまま理性が一瞬飛んだ。


何というトラップ!

いや、だってドア開けた瞬間に漂ってきた匂いがなんというか、ほら、わかる人はわかりますよね?

ってか僕誰に話してんだ……


そのあとは特に何もなく(ホントホント、決してお湯を飲んだりしてない、信じて!)風呂からあがり、ドライヤーで髪を乾かしてから(結乃に「いがーい」って言われたが、小さい頃から親に「髪乾かさないと風邪ひくよ~」って言われてたし。)夕食をつくる。

一人暮らしで外食ばかりだと栄養バランスが崩れるので、最低限の料理スキルは身に付けている。


鼻唄を歌いながら野菜を炒めていると背中に視線を感じた。

振り返ると結乃がじっとこちらを見ている。


「どうかしたか?」

「いや、たのしそうだから……そんなにおりょうりたのしい?」

「まあ、それなりに」


少なくとも「うわわぁ!締め切りやばいじゃん! 」とか言ってるときよりは100倍楽しいと思う。


「わたしもおりょうり、やってみたいなぁ……」

「僕は料理上手では無いからね。本気なら料理教室って手もあるけど。」

「むりだもん……」


今気づいたけど、また素直上から目線消えたね。

ずっとこのままだと嬉しいけども。


とか駄弁ってたらできました!

チャーハン。比較的得意なんだよ僕。


「できたぞ。箸長いかもな。」

「ラノベの神さまにできないことなんてない!」


それは関係ないと突っ込もうと思ったら、突っ込む前にこぼしました。

やはり関係なかった。

そのあと、スプーンを渡して、丸く収まりましたとさ。

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