第3話0-2 プロローグ
………ヒトは、生まれるときには無限の可能性を秘めている。
ヒトは、生まれたあと、無意識に、あるいは意識して、様々な選択を行い、育っていく。
ヒトにより、得手不得手もあるだろう。行く道は、か細く頼りないものも、太く堂々としたものもあるだろう。
だがそれを選ぶのはそのヒトである。意識無意識にかかわらず、無数の選択肢を選び続けて、ヒトは進んでいく。
これは、ちょうど二人が通れる長く険しい道を選んだ、そんな二人の物語である。
出会ったとき、吉井 今(よしい いま)は、もうじき誕生日で二桁になる9歳。
出会ったとき、金沢 高文(かなざわ たかふみ)は、もう自分でも何歳か忘れたようなたぶん二十代半ば。
吉井 今ことイマと、金沢 高文ことタカ、またの名をカナブンは、なんとも不思議で不可解な出会いをした。
それからどんな波乱の人生が待っているかを、全く予想すら出来ずに。
「あのね、電気が無くても、テレビが観られるといいと思う。」
「それは面白そうですね。作っちゃいましょうか。」
………きっかけは些細な一言、だけどその背景には既に無数の選択の跡があった。
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