第59話「光芒のヴィジランティ」

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 それは、一つの共和国の滅亡から始まった。


 マリアネスという惑星に存在する、シュリーフェン帝国とマリアネス連合という二大勢力。


 その緩衝地帯として存在していたニルドリッヒ共和国の滅亡と、束の間の休戦期間。


 嵐の前の静けさのような休戦期間は、平和など約束してはくれない。


 誰かがうそぶく。


 覚悟せよ、総力戦を。


 凱旋トライアンフの栄光が戦火で燃え落ち、没落するその瞬間を。


 決して大きくはなく、すべてを塗りつぶすにはまだ足りない、その光芒に義民ヴィジランティつのだと。

 




〈/outline〉




 君の歳月の、歓びの時々をかぞえてもみよ


 悩みのなかった日々をかぞえてもみよ


 そして知れ、君が何ものであったとしても


 生れざりせばよかりしものを、と。



―――ジョージ・ゴードン・バイロン

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