贈り物を選ぶように
サンタクロースはいると思う。
もちろん、子供の枕元にプレゼントを置くような、立派な髭をたくわえた老人サンタだけではない。
レジ打ち、ビラ配り、パーティーの盛り上げ役。そんなサンタ帽を被ったスーツやコスプレ姿の人々も含むと思うのだ。寒空の下、笑顔を振り撒く彼らのおかげで特別な日がより華やかに彩られる。
誰にだって、いつだってサンタクロースになれる資格はある。クリスマスカラーが惑わせるために一日限定のような存在になりつつあるのかもしれないが、赤い服を着ていなくても笑顔のプレゼントを配ることができる。誰かのためにがむしゃらになれる勇気さえあれば。
日常に潜むサンタクロース、その最たる者が物書きだと思いたい。
脳内で動いていたキャラクターに命を吹き込み、オリジナルの物語を紡ぐ。その過程で抱く高揚感は、プレゼント選びをするときに感じるものと似ていたように思える。
気に入ってもらえるよう悩んだ末に創られた世界。それは、誰かの胸にきっと届くはず。
そう言い聞かせながら、私は小説を書いている。
私の場合、ネタは生活の中に散りばめられているためメモが手放せない。
ふとした仕草、面白い話、気になった服装。そんな些細なことが役に立つと分かってからは、人間観察が趣味になりつつある。
そのほかにも工夫していることがある。
小説や漫画を読み終わったとき、心に残った台詞があれば裏紙にでもメモしていた。オリキャラのイメージがぼんやりと出て来たとき、突如ひらめきが走る。
「俺の仕事はな、みんなの夢を守ることなんだ 」
不敵な笑みを浮かべた人物から始まったアイデアは、やがて「人形の祈り」として実を結んだ。
私は決め台詞の表情が浮かびさえすれば小説が書ける。ただ、書きたい場面から書いていくスタイルではない方は、得策ではないのかもしれない。自分に合った書き方を見つけてほしい。
贈り物を選ぶように、小説を書くことを楽しんでほしい。笑わないサンタクロースからもらったプレゼントなんて、味気ないだろう?
誰かを喜ばせるためには、まずは自分が楽しむことを第一にしないとね。
もちろん、私も精一杯楽しみながら書いているつもりだ。
今日は
ケーキを頬張りながら、今年も無事に誕生日を迎えられたと感謝した。
幸せの充電は満タン。また誰かのために頑張れる。
きっと明日の枕元には、両手にあり余るほどのネタが届いているに違いない。今日の夢は幸せばかり詰まっている。そんな気がした。
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