第2話 お父さんからお義父さん

小学4年なりに出した決断。

『茜お母さんと函館に行くよ!』

ホッとした顔の母親。


私のお父さん。いや違う。お義父さん...か。

いつも悪いことをした時にかばってくれた。

妹の満智よりも彩華よりも可愛がってくれた。

今思えば変。私とは血繋がってないのにね。


この時はまだわからなかった。

親次第で子供がどう成長するかなんて。


引越の当日。

義父が最後に私にくれたもの。

ファミコン。それと小さなメモ用紙。


『お母さんの言うことをちゃんときいていい子にするんだよ』


たったその一言。


母親には伝えなかった。

なぜかだけど母親が悲しむような気がしたから。


長女の私と三女の彩華は母親。

次女の満智は父親。


こうやって私たち家族はバラバラになりました。



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あかねいずむ Akané @akaneizm

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