ひみつのくに   <詩>

迷 子

 どうしてここにいるのか いつもわからない。


 ここがどこで、なにをすればいいのか、どうしてもわからない。


 寂しいと言える相手がいなくて、僕はただみんなを遠くから眺めている。



 なんとなくみんなの真似をして、一日が暮れるのを待っている。


 はやく今日が終わりにならないかなと思いながら。




 やがて見つけた隠れ場所は本の中。


 本の中に 友達がいた。なつかしい場所があった。


 僕は本の中から生まれてきたのかもしれないと思った。




 だから。僕は自分で居場所を作ることにしたんだ。




 居場所がなくて ぼっちだと思ってるのは


 もしかしたら 僕だけじゃなくて。


 居場所を捜して さまよってるのは


 もしかしたら きみだけじゃないかも。



 優しくて気の合う仲間の出てくる おはなしを書いたよ。


 よかったら、君もここにおいでよ。


 ひみつのくにを、作ってみたよ。


 よかったら、君もここにおいでよ。


 ここでならきっと ほんとうの君に戻れるよ。

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