第7話
偉そうなことをいって、私はギャンブルも酒もタバコもセックスも。クソ男が網羅する悪行は全て好きだ。誤解を恐れずに言う、好きだ。
パチンコ屋で、隣に座る人が愛想よく目押しを変わってくれた時は、実は人ってみんな優しいのではないかと思えるし、酒を飲めば、泥酔してる自分そのものが、誰かに甘えていい理由になるし、何も考えずにいられる。タバコは自分に余裕を持たせてくれる。セックスは、気持ちがいいし愛されているような気がする。
...どれもこれも、瞬間的な癒しだということ。ノータリンだと言われればそれまでだ。
それならばと、他に「好きなこと」を考える。 電車や新幹線が走っていくのを見るのが好き。
美容室でシャンプーをしてもらうのも好き。
夜中のガランとしたコンビニに行って、ゆっくりじっくり商品を眺めるのも好き。
車の中でエモーショナルな曲を熱唱するのも好き。
季節が変わった時の匂いを感じるのも好き。
人にあげるプレゼントを選ぶのも好き。
...少しはまともに思える「好きなこと」を考えながら、今日も浴びるように酒を飲むのだろう。泣きそうな心持ちで。
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