第4話

寒さにめっぽう弱い。

寒いと寂しくなる。寂しいのか悲しいのか分からないけれど、とにかく泣きたくなる。

ひとりで泣きたくはない。

嫌だなぁ。つい半年前は。夏だからなんでもあり、夏だから仕方ないよってさ。冬なら冬で、人肌恋しいとか言っちゃって、抱かれるじゃないか。

抱かれるって言ったって、別に利用されてるわけじゃない。男性の本当の気持ちというのは分からないけれど、実際、性欲は女性より強いのだろう。だからって、こちらに性欲が無い訳じゃないし、寂しさを埋めてくれるなら、こっちだって誰でもいいんだよ。

...快感に身を委ねようとも、こんな思考が取り留めもなく頭の中をぐるぐるしている。馬鹿馬鹿しい。

本当は、誰でも良くはない。ただ、のこのこ呼ばれたらやってくるような安い女だなんてる思われたくないのだ。

心の中で、この人は自分のこと抱けないほどのブスだとは思ってないだろうとか、自分とのセックスが嫌いなら呼ばないだろうとか、私の行為中のテクニックが無ければ呼ばないだろうとか。ズブズブに底辺まで堕ちた自己肯定感に浸っている。自慢にもならないような、今ここで言える苦し紛れの自分の良いところを脳内で呟く。良いところとも呼べないでしょ、なんて心の中でもう1人の自分が突っ込んだりして。

うるさい。こんなもんだって、分かってる。

私は、私を肯定したいだけなのに。

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