第3話



ふらついた輪郭のない夢に苛まれる。

ただ夢を見ていたことは認知しているのに内容を覚えていない思い出せない。

そして昨夜監視している者を誘き出そうとしていたことは思い出せるのにその後が、思い出せない。

廊下で寝ていて運ばれたのだろうかと被り振る。

いや違う濃厚な血の匂いが自身から発せられている。

何かが昨夜起き自身はその近くにいた可能性がある。

すでに関わっているかもしれない。身の危険を感じた時視線がすぐ近くで感じ取られた。反射的に竦む身体を役職名で幾度も呼ばれる。

尋常ではなく呼ばれる。正気ではない。いや正気ではないのは自身だけだった。

侍女は心配していたのだ。昨日自身と接した侍女がすぐ目の前で不安と正気を疑う声。何度も正気を疑われ我に返る。

自身は何かしたのと不安になった。侍女は貴方ではないですと率直に応える。

城内で何者かが忍び込み死体が発見されました。

死体は貴族の一人、王の前で私を詰った一人の顔であるが私は見覚えがなかった。

それはすぐに広まるでしょうと侍女が淡々と言うと付け食わえる急いで準備を一人一人の昨日の行動を記録官と武官が尋ねに参ります。

私は着替えて部屋を出た。

用意された個室のソファに座る窓もなくテーブルと長椅子が二つのみ。

そして遅れてやって来た二人。椅子から立ち会釈し彼らは軽くお辞儀した。

椅子へ座る前キツイ香水の匂いに眉根を寄せるが彼らはそれに気づかず尋問を始める。

昨日の行動に自身は冷汗を滲みだしながら述べた。

昨日の行動にようやく自身が疑いの眼差しを向けられていることに気づく。

疑われて当然だ話しながら気づいたが下手にごまかそうとしなかった。

犯人の性別に尋ねようとして気づいた。彼らの香水は何らかの自身から発せられる匂いを誤魔化すために使用している物ではないかと。

そしたらこの二人が犯人であり共謀かもし片方だけの場合一体何故。

気分を尋ねられる。私はその場を自然に収めようとした。手が震え口に付けようとしたカップを床に零す。

慌てて拭き取ろうとハンカチを取り出し拭いた。彼らは身を乗り出し制止しようとしたのは一人でもう片方は傍観していた。

尋問が終わり部屋へ戻ると侍女が風呂を用意していた。

朝は忙しく入られなかっただろうからと。

それに感謝の言葉を述べ侍女の手で風呂へ上がった。

侍女は一つ告白してくれた。

物を盗んで売ったのは私です。

深く深く謝罪しながら私の身体を洗ってくれた。




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