1話

私は、ただ真っ暗な闇の中映し出される『映像』をぼーっと見ていた。


明るいのか暗いのかよく分からなかったが、なんだか落ち着くと思った。


そこには2人の少女が写っていた。


とても仲が良さそうでふと、この子達は姉妹なんだなと思う。


いつでも一緒で、お互いに支え合っている健気な少女達。


2人ともとっても可愛くて思わず見惚れてしまう。


―――ただ、この『映像』は少しおかしい。


2人の少女以外に登場人物が出てこない。


いや、周りを通り過ぎる人はいる、それは『普通』なのだが。


2人に対して接するものは一人も出てこない。


しかし、漠然とした違和感はあるものの結局拒むこともなくその後も瞬きすることなく『映像』見続ける。


どこか既視感のあるような、でも自分とは『違う』この子達を…




―――随分と長い時間見続けていた気がする。


気づけば、舗装され白いラインがある大きな道を挟んだ向かい側の道に妹と思われる少女がこちらに向けて手を振っている。


青いランプが点滅するタイミングでこちらへ駆けてくる。


しかし、気づいたときには猛スピードで大きいモノがコチラに向かってきて―――


轟音が鳴り響く。


目を開けるとさっきまであんなに笑顔だった少女は紅く紅く染まり、原型も分からないほどぐちゃぐちゃな肉塊と化してしまった。


それを見ていた少女の姉は―――




涙を流しながら


「×××…守れなくてゴメンね。」


最初は聞き取れなかったと考えているうちに、いつの間に移動したのであろう高い場所からその少女は身を投げた。


こちらもまた先程まで少女だったのが、上半身がほとんど無くなった肉塊と化し辺り一面が紅く染まっていった。




『映像』が終わる。


これは2人の『映像』で2人は亡くなってしまったため終わったのだろう。


あんなもの見せられたのだから納得はできる。


だか、こんなショッキングな『映像』を見せられたのにアマリアはなぜか、



















笑顔だった。

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