Gerbera
みおりさん
もうひとつの記憶
Prologue
10歳―冬―
―――私は妹を庇って池に落ちたらしい。
記憶が曖昧でその時の事はあまり覚えて無かったけど、本当に死ぬんじゃ無いかってくらい水の中は冷たくて苦しくて真っ暗だったって事は覚えてる。
池に落ちてから3日後、目を覚ました。
妹とお兄様は私が池に落ちたのがよっぽどショックだったらしくしばらく様子がおかしかった。
目を覚ましてからは、医者に隅々まで見てもらったり…少し忙しかった。
その後、安静にするようにって自室に戻って来たのだけれど…
(あれ?私の部屋ってこんな部屋だったっけ。)
ふと、そう考えた瞬間私の中に何とも言い難い
『違和感』が襲ってきた。
部屋を見渡す。
(こんなに私の部屋って広かったけ。)
ベッドに寝転ぶ。
(私、毎日ここで寝ていたの?)
鏡に写った自分を見る。
(鏡に写っている人は私…?私だけど、でも…)
「誰!?」
そう言った瞬間私は恐怖で
バリーンッ!!
鏡を割っていた。
鏡が割れた大きな音で侍女と妹とお兄様が駆けつけてくる。
「アマリア!!」
私を見た3人の顔が真っ青になっていく。
「鏡、割ったのかっ!手から血が、早く手当てを!」
「はい!」
「お姉様!血が血がぁっ!」
侍女が部屋から出ていく。
「おに、い、さま…」
「どうしたんだ?」
「私は…アマリア…ペイン…サミュエルズ…よ…ね…?
っ!?」
そう口にした瞬間、私の頭の中に膨大な量の
『見た事のない』映像と情報が流れてきた。
頭が割れそうになる。
「いや…
いやぁ…
いやぁぁぁぁぁ!!!!!」
ドサッ
「アマリア!アマリア!しっかりしろ!おい!」
そこで私の意識は途切れた。
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