ティル・ナ・ノーグ、常若の国、終わらぬ国

それから、その場にいる中から、四人の男の人が出て、棺を担いで持ったわ。

そして屋敷を出て、しばらくまっすぐに進んだのね。

茂みも何もない平原だったわ――つまり、私がいた元の場所とは明らかに違ったってことね。


そしたら、ぽつんと建っている砦についたの。

その砦から、一人の司祭さんが出てきて私たちを迎え入れたわ。

それから、その砦の中で、ミサが行われたわ。

いくつかお祈りが省略はされたけど、それ以外は普通と同じだったわね。

あの司祭さんも、きっといつかどこかで善き人々ディーネ・マハにかどわかされた人なのでしょうね。


その後またお屋敷に戻ってから、また私は馬の上に乗せられたわ。

彼はなんとも言いがたい表情をしていたわね。

私が何の食べ物も口にしなかったのを悔しがったのか、安堵したのか――案外、両方だったのかもね、あの表情は。

それから、最初のあの道のはたに戻ってきたのね。

ええ、あっという間だったわ。

やっぱり、あの黄金色の馬は妖精の馬フィールラールだったんでしょう。

まったく別の場所、世界すらまたいで移動できる馬だったんだから、きっとそうなんだわ。


そこで彼が言ったのね。もう、きみはお帰りって。

きっと彼は私のように連れ去られて、善き人々ディーネ・マハの食事を食べてしまったんだと思うのだけど、それでも私は聞かずにはいられなかったの。

あなたは帰らないのって。


彼は、そこで泣きそうな声で、帰れないよって言ったの。

聞いた私が申し訳なくなってしまうぐらい、苦しそうな声だった。

そうよね、当時の三年も前に、死んでいることになっていたのだし、むこうの食べ物を口にしていたなら、仕方がないのよ。

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