(2話)

その夜は一点の曇りのないもなく、夏の大三角形がよく見えた。

「あれが、アルタイル、ベガ、デネブか…」

私は彼女の家に行き一緒に行こうと伝えたその時だった。

「茂生ー!」

何故か今はなき姉の声がした。私は聞き間違いだ、なんて思っていたが、どんどん声が近づいてくる。

「茂生~!お前こんなとこにいたのか。それにしても久しぶりだなぁ」

「なんで生きてんだよ」

「あたしはいつ死んだなんていった?あたしは心配しなくても死んだりなんかしないよ、あっ!もうこんな時間、そろそろ行かないと」

「えっ…あっ…」

私はでくの坊のように唯々突っ立っていた。そして身震いした。5年近く見なかった姉の顔が見れたのだ。幽霊なのか、はたまた本物なのか。

こんな出来事は彼女が支度をして出てくるまで起こっていた。

「さあ、行きましょう!」

「あぁ」

この時は気付かなかった、コレカラ起こる色々なことが…

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今ヲ知る 羽音々 吾子 @mink616

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