#2 池袋編 体験入店
池袋西口。
昨日のスカウトマンと合流した。
しばらくあるくと繁華街の雑居ビルの中にその店はあった。
入ってみると思いのほか質素。
私は小学生の時に母の知人の経営するスナックに何度か行っていたから抵抗はない。
スカウトした男はお店のボーイだった(スカ男)。
初心者の私は何をするのかサッパリわからん。
スカ男はスカウトに行くので別のボーイに教えてもらう事になった。
「マジで初めて?」
「全然分からない」
「まずは源氏名だけど、どうする?」
「あー全然考えてなかった…。なこでいいですか?」
「なこさんね、わかりました」
「なこさんはまず基本的にはお客が来てお酒を作ります。そしたら話するでしょ。あとはお酒が半分になったらすぐ足してね。それとテーブルを綺麗にすんの。そういう時俺らボーイを呼ぶんだけどサインがあるのね」
「はあ?サイン?」
「お願いしますって言って、グラスの時はこう(手をLに)、灰皿の時は手で丸、おしぼりの時は雑巾絞りみたいにして、氷はアイス、水はウォーター、お酒の名前はメニュー見て覚えて」
「はい」
「あとはお客にはご新規客、指名客といます。ご新規はどんどん営業してもらっていいからね。但し、他の女の子の指名客は絶対ダメだから」
「わかりました」
「なこさんは初めてだから指名も居ないし、新規で指名取れるように頑張って。あと他の女の子の同じ時間帯に指名が被った時にヘルプという仕事もある。指名の女の子が席に帰ってくるまでの繋ぎだね」
「なるほど」(メモをとる)
ある程度のシステムは教わった。
ドレスは貸与(有料)、ヘアメイクが居ないので自分でアレンジする。
メイクも少し頑張って、普段はしないようなキラキラしたシャドウにマスカラを重ねてかなり濃いめにした。
嬢の皆さんが続々とご出勤。
するとボーイが、
「あ〜、サラさん!この子初心者なんだって、細々した事とか教えてあげてくれる?」
振り向いたその女性はキラキラしている。
こっちに向かってきた!
「いいよ。よろしくね」
「お、お願いします」
おお…すげぇ…
めっちゃ整形してる!
続
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