第三章 城下町と王子様
〜黄昏のプリンセスと呪われしアリス〜
第3章城下町と王子様(じょうかまちとおうじさま)
「ねぇ…今、城下町って言った?」
「え?うん…そうだけど…」
城下町ってことは近くにお城があるってことですよね?だったら行きたいです!
「城下町に?行く?正気か?弥生…」
もちろん正気です!城下町に行くためならたとえ火の中水の中…
「そ、そうじゃなくて!城下町にはすぐに行けるがお前は姫と同じ名前なんだぞ!もし知られたらどうする?!」
アリスさん…そんなどなんないでよ…怖い…知られなければ大丈夫!行きましょう!
「はぁ…アーク…行ってくる…森を頼む…」
「わかった…」
よし、じゃあ行こ…あれ?豪華な家…近くにお城…ここってもう城下町!?
「だからすぐ着くっていったろ?」
それにしても早過ぎじゃ…あれ?あそこに人だかりが…
「あれは…あの城…黄昏城の王子、如月陸王子だ…」
王子様!なら姫の事知ってるかも!行ってみよう!
ドンッ!
「弥生!」
いてっ…人とぶつかっちゃった…ごめんなさ…
「オイオイ!どこ見て歩いてんだよ!そんな汚ねぇ格好で!」
「俺達の服が汚れちまったじゃねえかよ!」
こ、この人達怖い…ごめんなさい…本当にごめんなさい…
「ごめんで済めば警察はいらねぇん…だよ!!」
「あ!」
殴られる……あれ?手が出ない…そっと上を見ると…お、王子様!?王子様が止めてくれた…
「何をやっている?」
「お、王子…陸王子…いや…これは…その…」
「女性に手を出すとは…」
お、王子様…目つきがとても鋭い…
「も、申し訳ございませんでした!」
うわー…男の人土下座…流石王子…
「ごめんで済めば警察はいらないと言ったのはそっちだろう…今度からは気をつけろ…とっとと去れ」
「は、はいぃいいい!!!」
うわ…男の人…逃げるようにこの場から退いていったよ…あ、王子様…どうもありがとうございます…
「これぐらい大丈夫だ…それより怪我は…!?」
「しまった!!」
あ、怪我はないので大丈夫です…?私の顔になにか付いてます??
「ゃょぃ…弥生!」「逃げるぞ!弥生!」
えちょっと2人の声が同時に…うわ!あ、アリスさん!?一体なんなの〜!
続く…
次回「魔力と眷属(まりょくとけんぞく)」
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