第21話 病室
真っ暗な部屋。鎮痛剤が切れたのだろうか。
相変わらず何も見えない。頭部にライトが当てられる。
[みどりさん、聞こえますか?担当医の古山と言います。気がつかれましたか?もう一週間眠っていましたね。痛くないですか?安静が必要なので、暫く入院です]
かれこれ20年以上聞いてる低い声だ。私は確か火傷をおっていると言われた事を思い出した。ホットミルクを飲もうとしてガスをつけたところまでは記憶にあった。
担当医が、私の脈をとる。
[あなたの自宅が火事になりました。倒れていた所をオーナーの青山さんが助け出して、消防車を呼び、あなたと救急車でこの病院に運ばれて来ました。あなたは手に封筒を握りしめていたらしい。奇跡ですね。あの火事の中、全く焼けずに残っていました]
[オーナーは無事なんですか?]
[はい。オーナーからも手紙を預かっています。どちらの手紙も読むように青山さんから言われていますが、今心の準備はありますか?]
私はオーナーの所在を知りたくて読んでもらうようにお願いする。
[先に、手に持っていた手紙の方からお願いします。3人の来店はあったかって封筒の文字の意味を知りたいから。お願いします]
私は奇跡の手紙と呼ばれた方から読んでもらうように、担当医に促した。
その前に点滴の針が抜かれ、新しいのに取り換えられた。
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