第16話 ホワイトエレファント
だんだんと鈴子の顔が明るくなる。
[ モーニングミィーテイングに出席すると元気になれたわ。夫を亡くして不安な気持ちがいやされたの。もっと元気になるようにって今度はこの象を渡されたわ。聖水で清められた象を1週間家に置いたらいいことばかり起きたのよ]
私が想像したとおりの展開になり、やはりと声を漏らしてしまった。鈴子はその象を幾らで買わされたのか気になった。
[ この象を家に置いたらね、息子の夜泣きやおねしょがなおったの。それと夫の死亡保険金が入ったのよ。毎晩泣いてた息子が朝までぐっすり寝てくれる。朝晩働いてくたくただったから、私、このホワイトエレファントに感謝した]
そんなの偶然ではないのか。保険金も当然もらえるだろうと首をかしげた。
鈴子はそんなのお構いなしに話を続ける。
[それでね、私の経験を是非広めたいからとスペシャルミィーテイングに招待されたのよ。いつもの50人位の集まりの100倍、つまり5千人の前で話をしたのよ]
その時の事を思い出したのか、鈴子は少し興奮して口調が早くなる。
私は頭がしっかりしていたのか、優れもののペンの速さについて行けるようになり鈴子の言葉を一字一句正確に書き留めた。
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