第13話 帰宅して
その後、緋色たちは家へと送り届けられた。
ララは家に着くなり緋色抱きついた。
蠱惑的な瞳だった。
「お兄ちゃん♡ お風呂にしますか? お食事にしますか? それともワ・タ・シ?」
緋色の胸に顔をうずめるララ。
しかし、ララはその言葉を最後に動かなくなった。
「ララちゃん、どうしたの。ちょっと離れてよ。嬉しいけど動けないよ」
ジタバタする緋色だったが、ララの抱擁は固くほどけそうにない。痛くはないのだが全く身動きが取れないのだ。
「ララちゃん。ララちゃん」
緋色の呼びかけにも何も反応しない。
まさか、さっきの戦いでどこか壊れたのか?
緋色には何もわからない。
その時、緋色のスマホに三谷博士から着信が入った。緋色はスマホを操作し耳に当てる。
「やあやあ緋色君。今日のイベントは楽しめたかね?」
「ええまあ」
「ところでララちゃんはまだ動いているかね」
「いいえ。家に帰ってすぐ動かなくなっちゃって。どこか壊れたんですか」
「いや大丈夫だよ。充電切れだ。通常は一週間は持つんだが、予定外の戦闘をしたせいで停止してしまったようだね。直ぐにそちらへ向かうから待っていてくれたまえ」
博士からの通話はすぐに切れてしまった。
緋色はララのお尻が本当に柔らかいのか確かめたくなったが我慢した。そう言うやり方では攻略とは言えないと思うからだ。
程なく、博士は大型のトレーラーに乗ってやってきた。
ララは回収された。
家に一人で残された緋色。
ララは翌日には戻ってくる。博士はそう言っていたが、緋色の心の中にはポッカリと大きな穴が空いていた。
アンドロイドのララ。
緋色は彼女に心底恋をしていたのに気づいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます