ララちゃん攻略

第4話 ララちゃんと登校

 緋色は某公立高校に通っている。

 バス通学である。


 バスの席では隣にララが座っている。

 もちろん、アンドロイドのララである。


 三谷博士から聞かされた注意事項があった。


 その① 一日一回プリンを食べさせること。週一回はバケツプリンにすること。

 その② 大変高価なので壊さないこと。非売品であるが価格は数百億円。

 その③ 機密事項の塊なので紛失盗難に注意する事。

 その④ 戦闘能力は高く、概ね戦車一個大隊に匹敵する。むやみに戦わせないようにすること。

 その⑤ ♡♡♡は可能だが攻略難易度は高い。存分に攻略してみよ。


 その他 妹属性の変更は可能だが推奨しない。


 緋色は博士の注意事項を反芻する。

 プリンは実行可能だが、他の4点はどうだかさっぱりわからない。

 そもそも壊すって何?

 紛失盗難って何?

 機密事項の塊で戦車一個大隊の戦力で数百億の価値がある彼女をどうしろと言うのか?


「お兄ちゃん♡」

 

 緋色の手にしがみつき、一生懸命頬ずりをしてくるのはアンドロイドのララだった。

 メイド服を着たこの可愛らしい女児を見ながら緋色は考える。

 ややこしい事はララに任せて自分は彼女を攻略するのだ。


 緋色は決心する。


「僕はララちゃんを攻略するぞ!」


 つい大声で叫んでいたらしい。

 周囲の奇異なものを見る視線が自分に突き刺さっていた。


 非常に恥ずかしい思いをした緋色だった。

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