第5話 ララちゃんと教室
教室に入ると何故かララちゃんの席があった。
小学生用の小柄な机と椅子が用意されている。
緋色の隣に。
どうしてこうなったんだろうと緋色は思う。
彼にとっては理想そのもの、夢の様な学校生活だった。
緋色はいつも一人ぼっちで空想にふけっていた。
でも今は違う。
ララちゃんと一緒に授業を受ける。
一緒にお弁当を食べる。
ララちゃんはプリンだけど。
もちろん、好奇心旺盛なクラスメイト達はララちゃんを囲み質問してくる。
「君、名前は?」
「何処から来たの? アメリカ?」
「どうして緋色と一緒にいるの?」
そのクラスメイト達に、ララちゃんは中指を天へ突きあげて睨み上げる。
「てめえらウザいんだよ。失せろ、殺すゾ」
ドスの利いた声で威嚇するララちゃん。
クラスメイト達は怯えて距離を置いた。
「はい、あーん♡」
ウインナーをつまみ緋色に食べさせるララちゃん。
緋色は疎外感が優越感に変化していくのを覚えた。
彼はこの状況をこの上ない幸福感として受け入れていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます